2019年1月19日(土)

独首相「同盟国に頼れぬ」 米トランプ政権に不信感

2017/5/29 21:07
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【ベルリン=石川潤】ドイツのメルケル首相は28日、イタリア南部で開いた主要国首脳会議(タオルミナ・サミット)を受けて「我々が他者だけに頼れる時代はある程度終わった」と話した。名指しこそ避けたが、同盟国である米トランプ政権への不信感を表明したかたちだ。サミットでは地球温暖化対策などで米欧の溝が目立った。

「米国第一」を掲げるトランプ政権の誕生で、米国を中心とした安全保障や貿易、環境などの枠組みは見直しを迫られている。ロイター通信などによると、メルケル氏は「欧州は自分たちの運命を自分たちで握るべきだ」と述べ、欧州内の結束を強く呼びかけた。

英国の欧州連合(EU)離脱が決まり、欧州自体も大きく変わろうとしている。メルケル氏は「米英やロシアを含むほかの近隣国との友好関係」が重要との考えを示しながらも、欧州は「自分たちの未来のために自分たちで戦わなければならない」と繰り返した。

27日に閉幕したサミットでは、欧州側は地球温暖化対策の国際的な枠組みである「パリ協定」に米国が残るように説得したが、トランプ米大統領は最後まで応じなかった。サミットに先だって開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の演説でも、トランプ氏は有事の際に集団的自衛権を行使して同盟国を防衛する意思を明言せず、失望を呼んでいた。

欧州側は当初、サミットなどで首脳同士が胸襟を開いて話し合うことで、トランプ氏を自分たちの陣営に引き入れたいとの思惑があった。特に欧州が重視する環境問題では「温暖化対策と経済成長は両立する」(ドイツ政府関係者)ことを説明すれば、理解を得られるのではないかという期待もあった。

ところが、期待は総じて失望に変わり、欧州は外交戦略の立て直しを迫られている。マクロン仏大統領もサミット終了後に「多国間協調主義がなお存在していると信じたい」と述べ、複雑な胸中を明かしていた。

もっとも、欧州ではトランプ政権との正面からの対決は避けたいとの空気が強い。貿易問題などでトランプ氏の批判の矢面に立つドイツと、ほかの欧州各国には微妙な温度差もある。ドイツはフランスとの関係改善を軸に欧州の結束を強めていきたい考えだが、貿易などで独り勝ちのドイツへの警戒は南欧を中心に根強くある。

メルケル氏は7月にドイツのハンブルクで開く20カ国・地域(G20)首脳会議の議長を務める。米国だけでなく中国やロシアも加わる会合で、どのような成果を導き出せるのか。会合まで1カ月余りとなる中で、不透明感が強まっている。

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