2018年12月16日(日)

台湾で与党・国民党大敗 統一地方選、馬政権に不信
台北・台中で市長ポスト失う

2014/11/30付
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【台北=山下和成】台湾で29日、2016年初めの総統選挙の前哨戦となる統一地方選挙の投開票があり、与党の国民党は地盤としてきた台北市と台中市の2つの市長ポストを失い、大敗を喫した。党主席を兼ねる馬英九総統の指導力の低下が響いた。中国との関係拡大を進めてきた与党の敗北で、中台交流に逆風が強まる見通しだ。

台湾の独立を志向する最大野党の民進党は支持基盤が厚い台南市、高雄市での勝利が確実だ。直轄市以外でもポストを積み増す勢いで、総統選への追い風となりそうだ。

地方選は全22県市の首長や議員を一斉に選ぶ過去最大の規模になった。総人口(約2300万人)の約7割を占める6つの直轄市の市長選のうち首都機能を持つ台北で国民党候補の連勝文氏(44)が、民進党が支持する無所属候補の医師、柯文哲氏(55)に敗れた。

連候補は連戦・元副総統の長男で知名度が高かったが、世襲批判などが響いた。国民党の台北市長選での敗北は分裂選挙となった1994年以来20年ぶりだ。

中部の大都市である台中市では国民党の現職、胡志強氏(66)が多選批判などで民進党新人の林佳龍氏(50)に敗れた。連氏と胡氏は29日、「期待に沿えず申し訳ない」などと敗北宣言した。

国民党の大敗の主因は馬政権への支持の低迷だ。馬総統は選挙戦で失業率の低下などの成果を訴えたが、12年の総統再選後に打ち出した増税策や、自らが仕掛けた党内での権力争いなどで支持者が離反した。

今年3月には、中国と結んだ経済協力枠組み協定(ECFA)の具体化協議の一環であるサービス貿易協定の発効に反対する学生らが立法院(国会)を占拠し、「過去6年の対中融和策は性急すぎた」との批判も広がった。台湾メディアの10月時点の世論調査で馬政権の支持率(「満足」と答えた比率)は10%台半ばに沈んでいた。

民進党は台北で柯氏の支持に回り、若者を中心とする無党派層の支持も取り込んだ。台湾では、北部に外省人(中国大陸出身者とその子孫)、南部に本省人(戦前からの台湾出身者とその子孫)が多く住む。これまで北部は国民党、南部は民進党の支持層が厚いとされてきたが、野党系の北~中部の勝利で勢力図が大きく塗り替わる。

求心力を落とした馬総統は、16年の総統選での後継者選びの権限も縮小しそうだ。民進党は中国との関係を安定させる政策の確立など、政権担当能力を示せるかが総統選に向けた課題となる。

 ▼台湾の直轄市 一般の県市に比べ財政面などで強い権限を持つ。市長は行政院会(閣議)に出席できる重要閣僚級のポストで、政治的な影響力も大きい。従来は台北、新北、台中、台南、高雄の5市だったが、人口が200万人を突破した桃園県も12月25日付で直轄市に昇格する。

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