2019年2月20日(水)

北朝鮮、弾道ミサイル発射 日本の経済水域内に落下

2017/5/29 11:06
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【ソウル=鈴木壮太郎】韓国軍合同参謀本部は29日、北朝鮮が同日午前5時39分、江原道元山(ウォンサン)付近から東方にミサイルを発射したと発表した。日本政府によると日本の排他的経済水域(EEZ)に落下したとみられる。北朝鮮のミサイル発射は今年に入って9回目で、3週連続。27日閉幕した主要国首脳会議(タオルミナ・サミット)の首脳宣言で北朝鮮の挑発を「新たな段階の脅威」とし、強く自制を求めたばかりだが、北朝鮮は圧力に屈しない姿勢を鮮明にした。

北朝鮮のミサイル発射について記者会見する菅官房長官(29日午前、首相官邸)

菅義偉官房長官は29日午前の緊急記者会見で、北朝鮮が発射した弾道ミサイルは北朝鮮東岸の元山付近から1発発射され、東方向に約400キロメートル飛び、新潟県の佐渡島から500キロメートル、島根県の隠岐諸島から300キロメートルの日本海上に落下したと発表した。

27日に閉幕したタオルミナ・サミットで日米欧7カ国(G7)首脳は北朝鮮への圧力を強化することで一致。その直後のミサイル発射だけに北朝鮮はG7の動きに反発を強めたとみられている。

韓国軍合同参謀本部によると、ミサイルの種類は「スカッド」系列と推定。複数発を発射した可能性もあり、確認を急いでいる。北朝鮮のミサイルが日本のEEZに落下したのは昨年8月、9月、今年3月6日に続き4度目。韓国の聯合ニュースは、ミサイルはスカッドC(射程500キロメートル)で、通常角度で発射されたと伝えた。

沿岸から12カイリ(約22キロメートル)の領海内の落下でなかったとはいえ、経済活動をする漁船などへ被害を及ぼしかねない。日本政府関係者は「距離や方向が違えば落下地点が日本の領土・領海により接近しかねない。脅威の段階が上がっているのは事実だ」と語った。現時点で船舶や航空機への被害は報告されていない。

稲田朋美防衛相は29日午前、北朝鮮の弾道ミサイルについて防衛省内で記者団に「飛翔(ひしょう)距離などからスカッド系列の可能性がある」と述べた。高度は「100キロメートル程度だった」との認識を示した。

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は同日7時30分から国家安全保障会議(NSC)の開催を指示。合同参謀本部は、北朝鮮が軍事挑発を続ければ「我が軍と韓米同盟、国際社会の強力な報復に直面することになる」と強く警告した。

米NSC幹部は28日、北朝鮮によるミサイル発射について「米国は認識している。大統領も報告を受けた」と語った。中国政府は公式な反応を示していない。中国メディアは韓国の報道を引用する形で速報した。

今回発射したミサイルがスカッド系列なら、すでに実戦配備された兵器だ。発射実験で実戦配備をめざす新型ミサイルとは異なり、軍事訓練や、軍事的な挑発の側面がより強いとみられる。

スカッドCは韓国が射程圏だ。朝鮮半島付近での空母2隻体制も視野に北朝鮮への圧力を強める米国に対抗する狙いに加えて、北朝鮮との対話路線を掲げる文大統領の本気度を試す狙いもありそうだ。

 ▼排他的経済水域(EEZ) 漁業や天然資源の探査・開発などの権利を沿岸国に認める水域。国連海洋法条約に基づき、沿岸から200カイリ(約370キロメートル)までの範囲に設定できる。EEZ内では他の国に邪魔されず主体的に経済活動を行える。一方、沿岸から12カイリ(約22キロメートル)までが沿岸国の主権が及ぶ領海となる。

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