アフガニスタン、ガニ新大統領が就任 米軍駐留継続へ

2014/9/29付
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アフガニスタンで29日、アシュラフ・ガニ元財務相(65)が新大統領に就任した。任期は5年。大統領選挙をガニ氏と争ったアブドラ・アブドラ元外相(54)は首相職に相当する新設の「行政長官」に就いた。ガニ新大統領は30日にも、2015年以降の米兵駐留を認める「安全保障協定」に署名する予定だ。「挙国一致政権」の樹立で治安回復や経済再建に取り組むが課題も山積している。

「この国に平和と安定をもたらすことが私の優先課題だ」。首都カブールで行われた大統領就任式でガニ氏はこう強調した。01年のタリバン政権崩壊後、およそ13年にわたり国を率いてきたカルザイ氏が退任した。アフガンで民主的に権力が移行したのは初めてのことだ。

ガニ氏とアブドラ氏の合意内容によれば、大統領は国家元首として行政長官を含めた閣議を開く権限を持つ。一方で、行政長官は閣僚評議会を毎週、開催し政策実行に関与し、その進捗状況を大統領に報告する役割を負うというが、二人の権限の線引きは曖昧だ。

治安や経済に関する重要な機関の人事権も大統領と行政長官で均等に分け合う。こうした「権力の二重構造」は、政権運営の主導権争いを引き起こし、国家運営に悪影響を及ぼすのではないかと不安視する声がある。

反政府武装勢力タリバンの攻勢で治安は悪化に歯止めがかからない。ガニ氏は就任式でタリバンに「政治プロセスへの参加」を呼びかけた。

29日にはカブールの空港近くで爆発が発生した。先週、東部ガズニ州でもタリバンとみられる武装集団が村々を襲撃し、住民や治安部隊の100人以上が虐殺された。タリバンの活動を巡っては、イラクとシリアで支配地域を広げた過激派「イスラム国」の影響や関与も指摘されている。中東から資金や兵士が流れ込む恐れがある。

ガニ新大統領は30日にも、米国との間で駐留米兵の治外法権を認める「安全保障協定」を締結する。これにより今年末の米軍の完全撤退というシナリオは回避される。

「米軍撤退によるアフガンの『イラク化』と、財政支援の先細りを回避しなくてはならないことを世界銀行などに勤務経験のあるガニ氏はよく分かっている」(外交筋)という。

アフガン政府は財源の9割近くを国際社会からの支援に頼っており「国家としての自立」が新政権には求められる。国際支援への依存体質からの脱却に道筋をつけるためには地方でのインフラ開発や、雇用を生み出すための農業振興や地下資源の開発が不可欠だ。カルザイ時代に相次いだ汚職や、不正が見つかった大統領選で傷ついた国民の信頼回復も重要となる。(ニューデリー=岩城聡)

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