南欧、保護主義に反対 7カ国首脳会議

2017/1/29 21:56
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【リスボン=竹内康雄】フランスやイタリア、スペインなど南欧7カ国は28日、リスボンで開いた首脳会議で保護主義に反対する立場を盛り込んだ共同宣言を発表した。「欧州連合(EU)は自由や民主主義、人権などの価値を守らねばならない」として、名指しは避けながらも、保護主義的な政策を進めるトランプ米大統領をけん制した。

会議には仏伊西のほか、ポルトガル、ギリシャ、マルタ、キプロスが参加した。同会議は昨年9月にアテネで開いた初会合に続く2回目。次回は4月にスペインで開く。EUは2月3日に英国を除く非公式首脳会議をマルタで開き、3月25日にはローマで英国を含めた首脳会議を予定。南欧諸国は共同宣言の内容を両会議に反映させる構え。

各国は共同宣言で「不確実性と不安定性が増している世界に対応するには、欧州の団結が一段と重要」との見解を共有。トランプ氏が英国に続くEU離脱国が出ると発言したのを念頭に「欧州の弱体化は選択肢にない」と明記した。貿易政策では「我々はより大胆な政策を推進する必要がある」と確認した上で「保護主義は正しい答えではない」と主張した。

共同宣言には「トランプ氏」や「米国」を直接名指しする表現はない。だがオランド仏大統領は会場で記者団に「米国から聞こえてくる話は、ポピュリズム(大衆迎合主義)と急進主義を助長している」と批判。トランプ氏の難民受け入れ拒否や保護主義的な政策に加え、英国のEU離脱決定を歓迎したことに触れ、「我々は断固とした姿勢で米国と対話せねばならない」と訴えた。

仏大統領府によると、オランド氏は28日のトランプ氏との電話協議でも同様の懸念を伝えた。

イタリアのジェンティローニ首相は「EUは米新政権と協力するより良い道を見つけるだろう」と述べた上で「EUは人権や反保護主義を含む自らの基本的価値は守らねばならない」と語った。

南欧は財政面で脆弱であるだけでなく、政権の基盤が不安定な国が多い。4~5月に大統領選を控えるフランスでは極右政党の国民戦線(FN)が、年内の総選挙が濃厚なイタリアでは「五つ星運動」が勢力を拡大している。こうした急進勢力は欧州統合や緊縮財政、難民受け入れに反対し、支持を広げている。

共同宣言では、地中海に面する南欧各国が難民問題に直面していることから、国境管理の厳格化を打ち出した。一方で域内の移動の自由を保障する「シェンゲン協定」を維持する必要性を説き、統合深化が欧州の成長を支えてきたという基本的な考えを堅持した。

成長や雇用増に向け投資や財政出動を増やし、EUを経済社会面で安定させる重要性でも一致。一段の財政支出に慎重とされるドイツなどが、景気刺激のために柔軟な対応をとることが不可欠との認識をにじませた。

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