2019年4月23日(火)

米経済、遠い4%成長 1~3月GDP0.7%増どまり
利上げがじわり重荷に

2017/4/28 23:20
保存
共有
印刷
その他

【ワシントン=河浪武史】米経済は1~3月期の実質国内総生産(GDP)が前期比年率換算で0.7%増にとどまり、伸び悩みが鮮明だ。金融危機後の景気拡大は8年近くに及ぶが、トランプ政権が目指す4%成長は遠い。人口高齢化などで潜在成長率が下がり、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ加速も個人消費や設備投資の逆風となる。

「税制改革で3%以上の持続的な経済成長が可能になる」。大型減税案を26日に発表したムニューシン財務長官はそう繰り返す。トランプ政権は発足初日に「今後10年で経済成長率を4%に戻す」と表明していたが、米国が4%成長を実現したのは、ITバブルの2000年が最後だ。財務長官の「3%」発言は政権の目標を事実上、下方修正し始めたといえる。

17年1~3月期の成長率も3年ぶりの低い伸びにとどまった。原因は個人消費の柱だった自動車販売の急ブレーキ。米新車販売は3カ月連続で前年割れとなり、1~3月期GDPでは自動車や関連部品の不振が成長率を0.45ポイント押し下げた。

自動車販売はFRBの大規模な金融緩和で急回復したが、足元では低所得者向け自動車ローンの貸倒率が増え、金融機関が融資を絞り始めている。FRBの金融引き締めが逆風となる典型例だ。「金融緩和とは、結局は需要の前倒しでしかない」。ある中央銀行首脳OBはこう断じる。

経済成長を重視するトランプ政権は大減税で景気を刺激したい考えだ。26日公表の税制改革案は、10年で4兆ドルもの減税規模になる。ムニューシン財務長官は「史上最大の減税だ」と力説した。

ただ、トランプ政権の財政拡張策を織り込んでも、国際通貨基金(IMF)は18年の米成長率を2.5%と控えめな見通しにとどめる。財政規律を重視する米議会は減税幅を縮小するとみられ、経済押し上げ効果は限定的になるためだ。

自動車販売は急拡大したが、息切れ感がある

自動車販売は急拡大したが、息切れ感がある

「米経済は完全雇用に近づいており、財政拡張策が必要とはいえない」。FRBのイエレン議長は指摘する。失業率は3月に4.5%に下がり、FRBが完全雇用とみる水準をすでに下回る。

物価上昇率も目標の2%にほぼ達しており、景気刺激策を打てば、雇用が一段と逼迫して予期せぬインフレ圧力が生じかねない。FRBは引き締めを急がざるをえず、かえって景気の腰を折るリスクもある。

米国は労働参加率や起業率が下がり、経済の"老い"が進む。FRBは潜在成長率が1.8%まで下がったとし、生産性の引き上げなど構造改革の重要性を説く。経済成長を重視するトランプ政権だが、移民制限などは労働力人口を下押しし、逆に潜在成長率の伸びを抑えるリスクがある。

春割実施中!無料期間中の解約OK!
日経電子版が5月末まで無料!

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報