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THAAD配備費1100億円 トランプ氏、韓国に要求

【ソウル=鈴木壮太郎】トランプ米大統領は27日配信のロイター通信のインタビューで、韓国が「地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)配備の費用、10億ドル(約1100億円)を支払うべきだ」と語った。米韓自由貿易協定(FTA)については再交渉か廃止を求める考えを示した。トランプ氏の不規則発言などに韓国では戸惑いと反発が広がっている。

トランプ氏はTHAADについて「韓国が払うのが妥当だと伝えた。10億ドルだ」と語った。

THAADは米韓両軍が昨年7月に配備を決定。米軍は3月から韓国に装備の搬入を始め、今月26日には配備先である南部の慶尚北道・星州(ソンジュ)の敷地に発射台やレーダーを運び込んだ状態だ。

韓国政府はトランプ発言に当惑する。外務省当局者は「韓国政府が土地や基盤施設を提供し、THAADの展開と運用にかかる費用は米国が負担するというのが韓米の合意だ」と説明。「米国からそうした通知は受けていない」と否定する。国防省も「基本的な立場に変わりない」という。

中国やロシアは高性能レーダーで自国内のミサイル基地まで監視されるとして、配備に強硬に反対している。敷地を提供した韓国ロッテグループの中国のスーパーが営業停止になったほか、訪韓する中国人旅行客が激減したりと、経済にも大きな影響が出ており、社会問題になっている。

5月9日投開票の韓国大統領選の候補者も敏感に反応している。THAAD配備に慎重な最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)候補は28日夜のテレビ討論会で、トランプ発言を早速、攻撃材料に使った。

文氏はTHAAD配備反対から賛成に回った野党第2党「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)候補に対し「10億ドルを我々が負担しても賛成するのか」と挑発した。安氏は安保政策の一貫性のなさが他候補から批判されている。安氏は「我々が負担することはない。すでに合意されたことだ」と反論した。

文氏は「THAADに無条件で賛成するから費用も出せとなり、韓米FTAもあんな主張になる。交渉力を損ねている」と畳みかけると、安氏は「交渉の段階は過ぎた話だ」とかわした。

トランプ氏は米韓FTAについても「ヒラリー(クリントン元国務長官)がつくったひどい取引だ」と批判。「再交渉か破棄か、近いうちに発表する」と語った。

米韓FTAを巡っては訪韓したペンス米副大統領も18日、「米韓FTA発効から5年間で、米国の貿易赤字は2倍以上に増えた。米企業の韓国進出には非常に大きな障壁がある」と指摘。韓国で警戒感が広がっていた。全国経済人連合会は28日「グローバル保護主義の拡散を促さないか憂慮する」と声明を発表した。

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