2019年1月18日(金)

米マイクロソフト、29日からウィンドウズ10提供開始 初の無料

2015/7/28 20:45
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【シリコンバレー=小川義也】米マイクロソフト(MS)が次期基本ソフト(OS)「ウィンドウズ10」の提供を29日から始める。目玉は「7」以降の利用者を対象にしたウィンドウズ史上初の無料アップグレード。売り切り型のソフト会社からクラウドで安定的に稼ぐサービス会社への脱皮を目指すサティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)は、30年続いたOSのビジネスモデルも転換しようとしている。

「ウィンドウズ10」について語る米MSのナデラCEO(米ワシントン州)

「ウィンドウズ10」について語る米MSのナデラCEO(米ワシントン州)

無料アップグレードは1年間の期間限定で、「7」や「8.1」を搭載したパソコンやタブレットを利用する個人が対象となる。法人や「ビスタ」「XP」を搭載した古い端末を利用する個人は従来通り、購入する必要がある。

すべての対象者が29日からアップグレードできるわけではない。「ウィンドウズ・インサイダー」と呼ばれる評価プログラムに参加し、「10」の開発に貢献した500万人の利用者が最優先される。事前にアップグレードを予約したユーザーがそれに続く。

「最後のメジャーリリース」。日本マイクロソフトの幹部は「10」をこう呼ぶ。1985年に「ウィンドウズ1.0」を発売して以来、MSは数年ごとに機能を大幅に刷新したOSを発表し、買い替えを促してきた。だが、今後はインターネット経由で機能を随時無償で更新し、従来の形式での大幅な刷新はしないと決めた。

ウィンドウズは「世代交代」の度にパソコンの買い替え需要を生み、半導体やパソコンメーカーの懐を潤してきた。パソコンメーカーから受け取るライセンス収入はMSの収益の柱の一つとなってきた。

だが、スマートフォン(スマホ)の普及で状況は一変する。ウィンドウズが8割超のシェアを持つパソコン市場は12年以降、毎年縮小が続く。一方でスマホ市場でのウィンドウズのシェアは3%前後で低迷。競争力に直結するアプリの数もグーグルやアップルに大きく水をあけられたままとなっている。

「10」の無料化はウィンドウズの利用者をつなぎ留め、アプリやゲームなどOS以外の部分で継続的に収益を上げるビジネスモデルを確立するための賭けでもある。

売り切り型からの転換に成功した事例は社内にある。業務ソフト「オフィス」をクラウド経由で提供する「オフィス365」の個人利用者は1500万人を突破。いまも毎月100万人のペースで増え続けている。IT(情報技術)インフラを提供する「アジュール」など法人向けのクラウド事業も倍々ゲームで売り上げを伸ばしている。

「ウィンドウズ・アズ・ア・サービス」。ウィンドウズ10の開発を指揮したテリー・マイヤーソン上級副社長は、ソフトウエアをクラウド経由で提供する「ソフトウエア・アズ・ア・サービス(SaaS)」になぞらえて「10」をこう呼ぶ。

MSは世界に15億台あるウィンドウズ端末のうち、10億台を3年以内に「10」に切り替える目標を掲げている。狙い通り普及するかどうかは無料アップグレードを提供する1年目が勝負となる。

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