米、対ロ制裁の解除焦点 トランプ氏がプーチン氏と電話協議へ

2017/1/29 0:48
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【ワシントン=鳳山太成】トランプ米大統領は28日(日本時間29日未明)、ロシアのプーチン大統領と初の電話協議に臨む。トランプ氏はロシアとの関係改善に意欲的で、対ロ制裁の解除が焦点。テロ対策で協力できれば解除を検討する方針だが、同日に別途協議するドイツやフランスの首脳は解除に反対の立場だ。議論の行方はロシアを巡る主要国の関係に大きな影響を及ぼす可能性がある。

トランプ氏は28日午前11時(日本時間29日午前1時)にメルケル独首相、正午にプーチン氏、午後2時にオランド仏大統領、同5時にオーストラリアのターンブル首相と電話で協議する。

コンウェー大統領顧問は27日、米FOXテレビのインタビューで28日のプーチン氏との電話協議で対ロ制裁が議題に上るかを問われ「すべての議題を検討中だ」と答えた。ロシアが2014年にウクライナのクリミア半島を編入してから米欧は経済制裁を続けている。これとは別に、オバマ前政権はロシアがトランプ氏を勝たせるため大統領選にサイバー攻撃を仕掛けたと断定し、16年12月に独自に制裁を科した。

制裁解除は関係改善の分かりやすいメッセージとなるだけに電話協議で話題になるかどうか、どんなやり取りが交わされるかが注目される。これまでトランプ氏は「ロシアがテロとの戦いで協力姿勢をみせれば解除を検討する」と表明している。中東の過激派組織「イスラム国」(IS)との戦闘やシリアのアサド政権の処遇を巡ってオバマ前政権とロシアは対立してきた。トランプ氏が公約に掲げるIS掃討を大義名分にロシアと手を組む可能性がある。

トランプ氏は「制裁解除と引き換えに核兵器の削減で合意できる可能性がある」とも指摘している。ロシアとの核軍縮交渉も「取引」の材料としてちらつかせている。

ただトランプ氏には制裁解除を簡単に持ち出せない事情もある。議会では共和党に加え、民主党にも対ロ制裁解除に反対の声が多い。対ロ強硬派の筆頭格で共和党の重鎮マケイン上院議員は27日「トランプ氏が(制裁解除という)無謀な行動を取らないよう望む」との声明を発表した。民主上院トップのシューマー院内総務らと超党派で制裁解除に議会の承認を求める法案も準備している。

ロシアがトランプ氏の個人的な弱みを握っているとの疑惑も影を落とす。関係改善をむやみに急げば、背景に疑惑の存在があるのではないかと蒸し返されかねない。

対ロ関係は28日に別々に実施するメルケル氏、オランド氏との電話協議でも議題に上りそうだ。独仏を中心とした欧州連合(EU)は17年1月末に期限を迎える制裁の延長を昨年12月に決めたばかり。ロシアが支援する親ロ派が、独仏が仲介したウクライナの和平合意を守っていないとの不満がある。独仏はシリア内戦でもロシアがアサド政権を支援し人道危機を招いていると批判してきた。

トランプ氏は選挙中からプーチン氏を「非常に賢い」と称賛してきたが、27日には「プーチン氏を知らない。素晴らしい関係を築けるかもしれないし、築けないかもしれない」とも語った。メルケル独首相の難民政策を批判して反感を買ったこともある。一連の電話協議の行方は見通せない。

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