米商務長官にロス氏承認 上院、通商ようやく始動

2017/2/28 10:37
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【ワシントン=河浪武史】米上院は27日の本会議で、商務長官に投資家のウィルバー・ロス氏(79)を充てる人事を72対27の賛成多数で承認した。同氏は宣誓式を経て近く正式に就任する。ロス氏は米通商政策の主導役を担う予定で、まず北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉に乗り出す。巨額の貿易赤字を抱える対日協議でも影響力を発揮する可能性が高い。

27日、米上院で商務長官に承認されたロス氏=ロイター

主要閣僚である商務長官が、政権発足から1カ月も承認を得られなかったのは異例だ。ロス氏は投資家として多額の海外資産を保有することから、通商政策への影響を懸念する声があった。事業の多くを売却することで米議会と折り合った。同じ通商政策を担う米通商代表部(USTR)代表に指名されたライトハイザー氏は、引き続き承認のメドがたっていない。

企業再生を専門とする投資家のロス氏は、選挙戦中にトランプ氏の経済政策を立案するなど側近の一人だ。対日投資の実績もあり、ニューヨークの日米交流団体の会長を務めるなど、親日派としても知られる。

トランプ大統領は年7000億ドルを超す貿易赤字の削減を公約に掲げ、通商政策の主導役としてロス氏に期待する。対外的な窓口はUSTRと分担するものの、通商戦略の大枠はロス氏が描くことになりそうだ。

ロス氏は1月中旬の議会公聴会で「真っ先に対処するのはNAFTAだ」と述べ、メキシコ、カナダ両国に再交渉を通知する考えを表明している。域内での材料の調達割合を示す「原産地規則」の基準を引き上げたり、米国の政府調達からメキシコ製品を排除したりする案が浮上している。

トランプ政権は環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱を決め、通商協議は2国間交渉に軸足と移すと宣言している。世界最大の経済力と軍事力を背景に、相手国から譲歩を引き出すのが狙いで、対日協議でも表舞台に立つ可能性がある。国際事業の経験が豊富なロス氏は、かつては日本にTPPへの参加を勧めたこともある。

ロス氏は「世界で最も保護主義的な国は中国だ」などと対中批判を強めてきた。中国は米国のモノの貿易赤字の半分を占めており、議会公聴会では中国の高関税や輸入規制などの是正が必要だとも主張している。

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