2018年2月22日(木)

クアルコム、オランダ半導体大手を買収 IoT向け強化

2016/10/27 23:20
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 【シリコンバレー=兼松雄一郎】米半導体大手クアルコムは27日、フィリップスの半導体部門だったオランダ半導体大手NXPセミコンダクターズを470億ドル(約4兆9千億円、負債含む)で買収すると発表した。半導体業界では過去最大規模の買収。来年中の手続き完了を目指す。NXPは自動車、認証端末など向けの半導体開発に強みを持つ。自動車や決済端末などを中心に「IoT」向け半導体市場で主導権を握る狙いがある。

 身の回りの製品に接続機能がつくIoTが普及すると、セキュリティーを高めるための半導体の需要が爆発的に拡大するとみられている。この巨大市場をにらみ、半導体分野ではIoT市場を狙う巨額買収が目立つ。ソフトバンクグループは約240億ポンド(約3兆円)で英アーム・ホールディングスを、米アバゴ・テクノロジーは370億ドルで米ブロードコムを買収した。

 NXPは2015年に旧モトローラの米同業フリースケール・セミコンダクタを買収しており、車載半導体では世界首位。エンジンなどの部分的な動きを制御するマイコン製品を幅広くそろえる。また、最近クアルコムとの取引が縮小している米アップル向けにも近距離無線通信「NFC」チップを供給している。

 クアルコム、NXP両社の売上高は合計で約350億ドルとなる。通信と車載で圧倒的な数量の製品群を備えることになる。両分野の半導体が必要な自動運転技術のデファクトスタンダード(事実上の標準)を視野に入れた買収とみられている。自動運転向けの研究開発を急ぐ米インテルや米エヌビディア、ルネサスエレクトロニクスなどの競合の戦略にも影響が出そうだ。

 クアルコムはNXPとの重複事業は少なく、買収によるコスト削減効果は2年以内に5億ドルに上るとしている。電話会見でスティーブ・モレンコフ最高経営責任者(CEO)は「両社の企業文化は似ている。先端技術を持ち寄り競争を勝ち抜く」と語った。

 同社はスマートフォン(スマホ)向け半導体で圧倒的な強さを誇ってきたが、各国の独禁法当局から調査を受けるなど、ここにきて新興国を中心に価格下落圧力に直面している。

 買収が成功すれば現在61%を占めている主力のスマホなど携帯端末向けの売上高比率は48%まで下がる。一方、自動車・IoTなど向けの比率は現状の8%から29%まで一気に上がり、スマホ偏重の構造を買収で一気に転換できる。

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