シリア巡り米ロ対立激化 米が軍事攻撃示唆、ロシアは自制促す

2017/6/27 23:35
保存
共有
印刷
その他

【ワシントン=永沢毅】シリア情勢を巡って米ロ両政府がさや当てを演じている。米ホワイトハウスがシリアのアサド政権への軍事攻撃を示唆すると、同政権を支援するロシアはすぐさま自制を促しけん制した。過激派組織「イスラム国」(IS)掃討作戦が進展する中で、掃討後をにらんだ主導権争いが強まっている。

ホワイトハウスは26日、声明でアサド政権が化学兵器を使った攻撃を準備している可能性があると発表した。攻撃に踏み切った場合は「アサド氏とその軍は重い代償を支払うことになる」と強く警告した。トランプ政権は4月、米が支援する反体制派へのアサド政権による化学兵器の使用を理由に軍事攻撃をした。

敏感に反応したのはアサド政権の後ろ盾であるロシアだ。ロシア外務省によると、ラブロフ外相は26日にティラーソン米国務長官と電話協議し、アサド政権軍への挑発をやめるよう求めた。

内戦が続くシリア情勢を巡っては、米ロが神経戦を繰り広げてきた。米軍は今月18日、シリア北部でアサド政権軍の戦闘機を撃墜。反発したロシアは、米ロ両軍の偶発的な衝突を防ぐためにある連絡体制を停止すると発表した。

ここにきて緊張が増しているのは、ISの存在が背景にある。隣国イラクではISの拠点モスルのイラク軍による奪還作戦が最終段階を迎えている。シリアでも米ロはIS掃討という目標を共有し、支配地域を縮小させてきた。ただ、その掃討が終わっても、シリア国内では米が支援する反体制派と、ロシアが擁護しているアサド政権を中心に内戦がなお続く見通しだ。米ロの駆け引きはこうした主導権争いの様相を帯びている。

シリアにはロシア海軍が地中海沿岸に拠点を構え、ロシアにとっては戦略的に重要な意味合いを持つ。トランプ大統領とロシアのプーチン大統領は7月にドイツでの20カ国・地域(G20)首脳会議の場を利用し、初の会談を予定している。シリア情勢を巡る米ロ対立が初顔合わせに影を落とす可能性がある。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]