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韓国、MERS終息宣言へ 経済に深い爪痕

【ソウル=小倉健太郎】韓国の医療関係3団体は27日、中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)の感染拡大が「ほぼ終了した」とする見解を発表した。感染の可能性があるとして自宅で隔離された最後の1人が同日、隔離を解除されたためだ。韓国政府は28日にも事実上の終息宣言を出す予定だ。発生から2カ月超で沈静化が進むなか、観光客の減少など経済に残した爪痕は深い。

「国民の皆さんは以前のように日常生活に専念しても大丈夫です」。MERS対応を協議する27日の官民会議で医師や看護師、病院関係者で構成する3団体は専門家としての見解を発表した。4日を最後に感染者が確認されておらず、隔離者もゼロになったことなどが根拠だ。ソウルの街中でマスクを着けた人は既にほとんどみかけない。

韓国でMERSは5月20日、中東から帰国した男性の感染を確認して始まった。感染者数は186人でこのうち約2割が医師や看護師などの病院関係者だ。患者のうち36人が死亡し、138人が退院した。いまも治療を続けている12人全員が「MERSに陰性となってから28日が経過」という世界保健機関(WHO)の基準を満たした時点で、韓国政府は正式な終息宣言を出す。

感染経路は病院や救急車内部のみで、ふつうに暮らしている人への拡大はなかった、と韓国政府は説明する。患者と接触した可能性があるとして自宅などに隔離された人はピーク時で6700人、合計1万6700人にのぼった。

MERS発生を受けて観光客は急減した。韓国観光公社の把握分だけでも6月1日から7月7日までに14万人弱が訪韓を取り消した。7月第2週以降も「訪韓計画自体が前年より大幅に減った」(同公社)。大韓航空は旅行客減少を受けた日韓、中韓路線の減便を8月初旬にもやめて正常化する方針だが、この間の減便数は約340便に達する見通しだという。

韓国内での消費も落ち込んだ。人混みに出かけて感染したり、感染者と接触して隔離対象になったりするのを恐れる心理からだ。企画財政省によると、百貨店売上高は6月第1~4週に前年比10%落ち込んだ。プロ野球観戦や映画館からも客足が遠のいた。

輸出不振にMERSが加わって4~6月期の実質成長率は前期比0.3%増と1~3月期の0.8%増から大幅に後退した。韓国銀行(中央銀行)は9日、2015年の成長率見通しも3.1%から2.8%に引き下げた。

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