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モンゴル大統領選、与野党2候補が7月9日決選投票へ

【ウランバートル=多部田俊輔】モンゴルの中央選挙管理委員会は27日、モンゴル大統領選(26日投開票)の結果を発表した。最大野党・民主党で柔道連盟会長のバトトルガ氏(54)が首位となったが、得票率は38.1%にとどまった。過半に達しなかったため、2位となった与党・人民党で国民大会議(国会)議長のエンフボルド氏(52)との決選投票を7月9日に実施する。

「我々は厳しい戦いを乗り越えた」。民主党のエルデネ党首は27日未明、大統領選の趨勢が判明した時点で勝利コメントを発表した。バトトルガ氏自身も「モンゴルは勝つというスローガンを受け入れて、私に投票してくれた有権者とスタッフに感謝する」とのコメントした。

民主党は2016年6月の国民大会議総選挙で惨敗。76議席のうち獲得議席はわずか9議席まで減って与党から野党に転落し、人民党の65議席に遠く及ばない状況に追い込まれた。国民大会議でも人民党に主導権を完全に奪われていたが、1年で党勢立て直しの端緒をつかんだ。

選管が27日午前11時30分(日本時間同午後0時30分)に発表した結果によると、バトトルガ氏の得票数は51万7478票(得票率38.1%)で、エンフボルド氏は41万1748票(30.3%)、ガンバータル氏は40万9899票(30.2%)となった。投票率は68.3%。

バトトルガ氏がエンフボルド氏に10万票の差を付けたのは3つの理由がありそうだ。1つはバトトルガ氏自身への信任だ。柔道連盟会長として五輪メダルの獲得を実現した功績や実業家としての実績に評価が集まった。工業・農牧業相を務めた経歴もある。

2つ目はネット戦略が奏功し、フェイスブックを使うウランバートル市の若者をひき付けるのに成功した。モンゴルで根強い人気を持つ大相撲の元横綱朝青龍のダグワドルジ氏がフェイスブックで選挙活動の実況するなどの支援も後押して支持者を広げた。

3つ目は人民党とエンフボルド氏への不満の受け皿となったことだ。モンゴル政府は2月に財政健全化を条件に国際通貨基金(IMF)などから支援を得ることで合意し、人民党のエルデネバト首相は定年延長などの財政支出削減に向けた政策に取り組む。多くの国民は緊縮財政に不満を持っており、バトトルガ氏の「モンゴルは勝つ」という愛国的なスローガンに有権者がひかれたとみられる。

一方、エンフボルド氏は人民党の組織力を武器に選挙戦を優勢に進めてきたが、緊縮財政に対する理解を十分に得られなかったうえ、ウランバートル市長時代の不正疑惑などを払拭できなかった。24日に国営テレビが実施した3候補のテレビ討論会でエンフボルド氏寄りで不公正だという反発がフェイスブックなどで広がって一気に逆風が吹いたもようだ。

その結果、野党の人民革命党で元労働者組合連盟会長のガンバータル氏(46)と僅差の2位にようやく滑り込む事態となった。ガンバータル氏は資源開発について「モンゴル国民に利益をもたらすことが重要だ」などと持論を繰り返し、外国企業がモンゴルの豊かな資源を奪っているとの見方を持つ有権者の支持を獲得したもようだ。

バトトルガ氏とエンフボルド氏の決選投票は7月9日。大統領は国民大会議の決定事項に拒否権を持つ。それだけに政策を巡る議論が期待されたが、選挙戦では候補者の不正疑惑などを攻撃するネガティブキャンペーンが目立ち、「選択肢のない選挙だ」との言い回しが流行した。決選投票では政策論争で国民に選択肢を提供しなければいけない。

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