2018年10月23日(火)

米大統領選テレビ討論会の主なやりとり(1)

2016/9/27 13:01
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米大統領選は26日夜(日本時間27日午前)、第1回テレビ討論会を開いた。民主党のヒラリー・クリントン前国務長官(68)と共和党のドナルド・トランプ氏(70)が初めて直接対決し、「米国の進路」などを巡り論戦を交わした。候補者の主な発言は次の通り。

【繁栄】

クリントン氏 「米国の繁栄のために、どんな国にすべきかを問う必要がある。すべての国民のために経済を拡大させること。雇用を創出すること。いい仕事を生み出すこと。インフラを整備し、製造業の技術革新をはかり、再生可能エネルギーを発展させること。中小企業を繁栄させ、最低賃金を上げること。女性の地位向上をはかり、企業の収益を経営トップだけでなく、従業員全員が共有するシステムを構築すべきだ」

「仕事と家族のバランスを保つために、病気休暇制度などを充実させる必要がある。国民の負担が膨らまない保育システムを確立することも重要だ。そのためには企業の中の抜け穴を埋めることが必要だ」「国民の皆さんは今日の討論会を通じてどちらが政策を実行できるかを判断していただきたい」

トランプ氏 「我が国の雇用がメキシコや中国など他国の利益の追求のために失われている。これらの諸国は為替の切り下げなどを通じて我が国を利用し利益をあげている。その結果、ミシガンやオハイオなどから何千人もの職が奪われた。我々の職が他国に奪われることを止めなければならない。我が国の企業が他国に出て行くのを止める必要がある」

「企業が米国から出て国内の職が奪われることを避けるために、私は法人税を現在の35%から15%に引き下げる。また、我々は貿易協定を巡り各国と再交渉をする必要がある」

【経済政策】

クリントン氏 「トランプ氏が主張する国民の上位10%(富裕層)の税金を削減するやり方では我々の経済成長はない。トランプ氏は非常に恵まれた人生を送り、お父様からもらった1400万ドルでビジネスを始めた。それとは対照的に、私の父は中小企業のオーナーだったが、働きに働いて事業を支えた。富裕層のトランプ氏とは違う、ミドルクラスの経済を繁栄させることが重要だ」

トランプ氏 「貿易協定の再交渉が必要だ。とくに為替の切り下げで恩恵を受けてきた中国とは、大いに必要がある。メキシコもそうだ。我が国の製品をメキシコに輸出する場合は16%の関税がかかるが、逆にメキシコの製品を我が国に輸入する場合には関税はゼロだ。こうした欠陥を是正する必要がある」。

「北米自由貿易協定(NAFTA)は欠陥のある貿易協定だ。クリントン前国務長官をはじめ、政治家はこの欠陥を何十年も放置してきた。我が国の貿易赤字は20兆ドルに上る。この欠陥協定を修正し、職が我が国から出ていくのを止めなければならない」

クリントン氏 「8年前の金融危機を思い起こしてほしい。これが起きたのは富裕層の減税ばかりしてミドルクラスの支援をせず、ウォール街の問題から注意をそらしたから。それが危機をもたらした。実際のところ、トランプ氏は住宅ローン・バブル崩壊を望んだ。それでお金がもうけられると思ったからだ。500万人が家を失い、130億ドルの富が失われた」

「専門家はトランプ氏の減税プランにより、米国の負債が5兆ドル分膨らむとしている。ミドルクラスの職は350万人分失われることになるという。それにより景気はリセッション(後退局面)に陥る。私のプランではソーラーパネル建設などのクリーンエネルギー政策の促進などにより、1000万人分の職が創出される」

トランプ氏 「クリントン氏はソーラーパネルへの投資などに言及したが、これまでのソーラーパネルへの投資はまったくの失敗だ。これらのエネルギー政策により多くの職が失われたという意味で大失敗といえる。オバマ政権はこのエネルギー政策により過去7年半で230年分の負債を膨らませた。クリントン氏は過去30年間、職が我が国から逃げていくのを黙認してきた。私は失われた職を戻すことができる」

クリントン氏 「貿易だけが我が国の経済に打撃を与えているわけではないが、貿易協定については専門家に問題点を挙げてもらう」

トランプ氏 「NAFTAは最悪の貿易協定だ。さらに環太平洋経済連携協定(TPP)についてクリントン氏は当初賛成していたが、私が反対を表明したら、突然意見を翻し、反対に転じた」

クリントン氏 「貿易協定については様々な意見があるのは確かで、重要なのは国民の所得を拡大させることだ」

トランプ氏 「クリントン氏は規制を強化し、規制の上に規制を作り、企業に打撃を与えた」

【税制・金融政策】

トランプ氏「減税をすることによって富裕層に恩恵を与えるということだけではない。富裕層を厚遇すれば、ビジネスが活性化する。雇用を創出することで、中間所得層に大きな恩恵を与えることができる。クリントン氏のプランは企業を米国から離脱させるだけだ」

クリントン氏 「今晩この討論会が終わるまでに、悪いことはすべて私の責任にさせられそう(笑)。トランプ氏の富裕層減税は大きな抜け穴を作ることになる。私が富裕層に増税をすることは、中間所得層を支援することが狙いだ」

トランプ氏 「そうやって政治家は何も行動を起こしてこないことが問題だった。今、米国はバブルの危機にある。米連邦準備理事会(FRB)は政治に関与している。(FRB議長)のイエレン氏は無謀な低金利政策を維持している。オバマ大統領が引退してゴルフ三昧になるころ、FRBはようやく金融引き締めに動くのだろう」

【確定申告・私用メール問題】

トランプ氏 「(確定申告を)公開しないわけではない。現在、会計監査中で、これが終了したらただちに公開できる。過去15年間、毎年会計監査が入っている。もし、クリントン氏が3万3000通の電子メールを公開するのだったら、それと引き換えに私の確定申告を公開する」

クリントン氏 「過去40年間、すべての大統領候補は全員確定申告を公開してきた。トランプ氏がしない理由を考えてみよう。(1)彼は大口をたたいているほど実は金持ちではない(2)言っているほど寄付をしていない(3)6億5900万ドルの借金を怪しいところからしている(4)連邦税を1文も払っていない――などが考えられる。彼は隠さなければならないことがあるから、確定申告を公開しないのだろう」

【私用メール問題】

クリントン氏 「メール削除については、これは私の過ちです。これは私の責任です」

トランプ氏 「(メール削除は)あやまち以上の問題だ」

【トランプ氏の事業歴など】

トランプ氏 「この国は巨額の赤字を抱えている。そしてインフラのひどさは第三世界のようだ。空港、道路、トンネル、学校、すべてがひどい状態だ。そしてわれわれはそれを改善できる金もない」

クリントン氏 「もしあなたがちゃんと税金を払ったら改善できるかもしれない(笑)。あなたはビジネスと言うわりにはあなたと仕事をした人たちにちゃんと支払いをしていない。今日、この席にあなたのクラブハウスを建設した建築士がきている。彼はあなたから支払いを受けていない。あなたと仕事をした1000人にものぼる人たちが支払いを拒否されている。そしてあなたは過去に6回も破産している」

トランプ氏 「支払わなかったのは、私が満足できる仕事をしなかったからだ」

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