2019年2月20日(水)

イラク軍、要衝ラマディ奪還へ攻勢 対「イスラム国」

2015/12/27 23:55
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【ドバイ=久門武史】イラク軍が過激派組織「イスラム国」(IS)の支配する中西部アンバル州の州都ラマディの全面奪還に向け、攻勢を掛けている。ラマディは首都バグダッドの西方約100キロメートルにある要衝で、今年5月にISが制圧していた。軍が市街戦を制し全面奪還できれば、ISにとっては大きな打撃となる。

イラク軍は12月8日にラマディ南西部を奪還し、22日に中心部に進撃した。ISは接近を阻むためユーフラテス川の橋を破壊したが、政府側は仮設橋を架けて中心部に進入。米軍主導の有志連合が空爆で支援している。

ISは自爆攻撃や狙撃で激しく抵抗し、さらに住民を「人間の盾」に利用しているもようだ。民間人の犠牲が膨らみかねず、ISが立てこもるかつての政府庁舎に近づくほどイラク軍の前進速度は鈍っている。ISが市街地に仕掛けた多数の爆発装置の除去にも時間がかかっている。

イラク軍報道官は26日、目標とする政府庁舎まで800メートルに迫ったとロイター通信に明らかにし「どれだけ時間がかかろうと、民間人と部隊の犠牲を避けることを優先する」と述べた。23日には軍高官が「数日以内」でラマディを奪還できると述べていた。

ラマディは首都バグダッドとシリア国境を結ぶ幹線道路が通る要衝。奪還できれば、イラクのアバディ政権にとっては3月に北部の要衝ティクリートをISから奪い返して以来の戦果となる。ただISは昨年6月に制圧したイラク第2の都市モスルなど、なお広い範囲を支配している。アバディ首相は25日、「ラマディの勝利に続き、全イラク国民の団結によりモスルを解放する」と強調した。

アバディ政権は今回の作戦で、練度の高いイスラム教シーア派民兵の投入を見送った。アンバル州はスンニ派の住民が多く、宗派間の対立感情をかき立てるのを避けるためだ。ティクリートでは奪還後に、作戦の主力を担ったシーア派民兵による略奪や放火が伝えられ、スンニ派住民の間に反感が広がっていた。

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