[FT]広がる中国発の動揺 報いを受ける日の先延ばし(社説)

2015/8/27付
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(2015年8月27日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

中国経済は今、激しく揺れ、世界中の投資家が恐怖のまなざしで中国の政策を注視している。

政策はぎこちなく安定しない。中国政府は株式市場を落ち着かせようとしたが、効果がなく株価は大幅に下がった。また興味深いことに、中国人民銀行(中央銀行)は今月、為替相場を一段と市場に任せる対応を示した。そのため暴風が発生してしまった。

中国の対応がまちまちでパニックが増幅している。世界は中国政府がどう動くのか手がかりを得られないでいる。為替政策をみると、中央銀行のテクノクラートが切り下げ競争に乗り気でないことはほぼ明らかだ。1日数百億ドルを使って人民元を支えてきたことからそう判断できる。

こうした事態は中国政府のジレンマを表している。中銀は市場に優しい為替相場を目指すと市場に訴えるため大規模介入を余儀なくされていた。ねじれた対応だ。

中国政府は市場と国家統制の狭間に押し込められている。株式市場にテコ入れしたが、株価は崩壊した。金融を引き締めたが、再び水門を開けた。国有企業の大胆な改革を表明したが、たいした結果を生んでいない。こうした混乱で世界は行く先を見通せない。

いったい中国はどこに向かうのか。習近平国家主席は国家統制による勝利を志向しているようだ。彼は統制の象徴だ。党、メディア、そして疑いもなく経済も統制する。テクノクラートが市場の自主性を重んじようとしても中国政府には向こう見ずな遊びのようなものだ。いざという時には国家介入が優先する。

そうした見方が正しいとすると、中国政府は十分な経済成長を確保するために何でもするだろう。それは世界には短期的にはよいことだ。しかし、報いを受ける日を単に先延ばししているということになるだろう。

(c) The Financial Times Limited 2015. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

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