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「イスラム国」掃討報告書、米軍が戦況歪曲か 米紙報道

【ワシントン=川合智之】米紙ニューヨーク・タイムズは26日、過激派組織「イスラム国」(IS)に対する米国主導の掃討作戦の報告書で、米中央軍が戦況を楽観的に見せるよう情勢分析を歪曲(わいきょく)したとの内部告発があり、国防総省の監察官が調査を始めたと報じた。オバマ米大統領はこれまで「ISは敗退しつつある」との認識を示しているが、情勢認識に誤りがあった可能性もある。

同紙によると、同省国防情報局の分析担当者の内部告発で、空爆作戦を実施する米中央軍の当局者が報告書の結論を書き換えた証拠があるとの指摘があった。報告書はオバマ氏ら安全保障の政策立案者向けに作成された。関係者によると国防情報局は、米などが過去1年間実施した空爆作戦でもISはほとんど弱体化していないと指摘。逆に北アフリカや中央アジアに勢力を伸ばしていると結論づけた。

米政府の規定では、情勢分析が政府の政策と異なっていても「歪曲してはならない」と定めている。これまでオバマ氏は空爆作戦により「IS打倒は可能だ」と繰り返し、中東への地上部隊派遣に慎重な立場だった。アーネスト米大統領報道官も26日の記者会見で「空爆作戦でISが弱体化していることを示す多くの証拠がある」と強調、現行の戦略を見直す考えがないことを示唆した。

ただ実際には外国人戦闘員の流入などで、ISの戦闘員数は「2万~3万人」(国防総省)と減少していない。オバマ政権はイラク兵やシリア反体制派らを訓練して地上戦を担わせる方針だが、5月時点の計画では年5400人のシリア反体制派を訓練するはずが、7月までの実績は約60人にとどまり、成果はあがっていない。

オバマ氏の政策に批判的だった米議会の野党・共和党を中心に、戦況打開に向けて「地上部隊を派遣すべきだ」(マケイン上院軍事委員長)との声は根強い。今回の内部告発で批判を強める可能性もある。

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