2019年1月20日(日)

反中デモで補償表明 ベトナム特使、中国主席と会談

2014/8/27付
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【北京=島田学】中国の習近平国家主席は27日、北京の人民大会堂で、ベトナム共産党序列1位のグエン・フー・チョン書記長の特使として訪中したレ・ホン・アイン党書記局常務と会談した。中越関係筋によると、同氏は、中国が5月に南シナ海で石油掘削装置(リグ)を強行設置した問題を巡り、ベトナム国内で相次いだ反中デモで被害を受けた中国企業や中国人労働者などに補償する考えを示した。

中国の国営新華社によると、習氏は「カギとなる時期には正しい政治決断が必要だ。共に努力し、中越関係を正しい発展の軌道に戻したい」と強調した。レ・ホン・アイン氏も「関係強化は両国民の利益だ」と応じ、関係改善を進めることで合意した。ただ新華社は、中越間の摩擦の引き金が中国による石油掘削装置の強行設置だったことには触れていない。

これに先立ち、レ・ホン・アイン氏は中国共産党序列5位の劉雲山政治局常務委員とも会談し、南シナ海情勢で互いに「紛争を複雑化させない」ことを確認した。

中越関係筋によると、今回のベトナム特使の訪中は、中国資本の撤退などを懸念するベトナム側が要請したものだ。中国側は特使受け入れと引き換えに、今月上旬にミャンマーで開いた東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会合で、ベトナムが南シナ海問題で中国を批判しないことを強く要求したという。

8日に開いたASEAN外相会議の共同声明では南シナ海情勢への「深刻な懸念」が盛り込まれたが、その後、中国の王毅外相も出席したASEAN地域フォーラム(ARF)の議長声明では「深刻な懸念」の文言は盛り込まれず、関係国に自制を求めるとの表現にとどまった。

今回の習氏とベトナム特使との会談を受け、中越関係の緊張はいったん緩和されそうだ。ただ、中国は、引き続き必要に応じて石油掘削装置を設置し、資源探査する権利を主張する。南シナ海のほぼ全域の主権を主張する中国がこうした強硬姿勢を変えない限り、中越間の対立の火種は消えない。

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