米海軍長官候補が辞退 トランプ政権の人事停滞
【ワシントン=川合智之】トランプ米大統領が海軍長官に指名した投資家フィリップ・ビルデン氏が26日、指名を辞退した。家族の利益相反問題などが原因で「米政府倫理局の基準を満たせない」としている。これまでに労働長官や陸軍長官の候補も指名を辞退しており、トランプ氏の政権づくりは近年で最も遅れている。
米国防総省が発表した。マティス国防長官は声明で「残念だが判断を尊重する」と述べた。ビルデン氏は陸軍予備役の経験はあるが、香港の投資会社の経験が長かった。
陸軍長官に指名された投資会社創業者ビンセント・バイオラ氏も利益相反問題で今月、指名を辞退した。同氏はビルデン氏とともに、大統領選でトランプ陣営の顧問を務めていた。
労働長官候補だったファストフードチェーン経営者のアンディ・パズダー氏は15日、不法移民を家政婦として雇っていた問題などで、上院で承認に必要な賛成票を得られる見通しが立たず、指名を辞退した。
トランプ政権では上院での閣僚承認も遅れており、商務長官やエネルギー長官、住宅都市開発長官などが未承認となっている。各省の次官など政治任用ポストもほとんどが空席のままだ。