2019年1月22日(火)

ガザ和平協議 波乱含み イスラエル・ハマス、主張譲らず

2014/8/28付
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【カイロ=押野真也】イスラエルとパレスチナのイスラム原理主義組織「ハマス」が期限を設けずに停戦し、1カ月以内に和平に向けた交渉を始めることで合意した。ただ、ガザでの空港建設やハマスの武装解除を巡り両者の隔たりは大きく、今後の協議は難航が予想される。仲介役を担うエジプトや米国の影響力が低下していることもあり、協議が暗礁に乗り上げ衝突が再燃する可能性もある。

エジプト政府が発表した合意案によれば、両者は停戦発効後、即時に軍事行動を中止し、1カ月以内にエジプトを介する間接協議を始めることになっている。

ハマスは自らが実効支配するパレスチナ自治区ガザでの空港と港湾の建設を要求。一方、イスラエル側はハマスの武装解除などを求めており、今後の協議ではこうした問題の扱いが大きな焦点となる。

ただ、これまでの停戦協議で、双方とも相手方の主張を受け入れず、交渉は難航。仲介役を担ったエジプト政府がこうした問題を先送りし、かろうじて即時停戦で合意したのが実情だ。今後の協議では双方の主張の溝が改めて浮き彫りとなる可能性もある。

過去の衝突では、イスラエルとハマスに大きな影響力を持つエジプトが積極的な仲介外交を展開。双方の主張をエジプトが丁寧に聞き取り、相手方に伝え、譲歩を促す間接交渉のスタイルを取ってきた。

2008年の衝突では、エジプト政府は米政府と緊密に連携し、情報機関である総合情報庁のスレイマン長官が水面下で双方の首脳や実務担当者に接触。12年にはモルシ大統領がクリントン米国務長官と連携し、カンディール首相(肩書はいずれも当時)をガザに派遣。「ハマスを孤立させない」と言明し、それぞれ信頼を得て交渉にあたった。

しかし、現在のエジプトにはハマスとパイプを持つ政府高官は少ない。13年7月のクーデターでハマスの支持母体であるエジプトのイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」は政権を追われた。クーデターを主導した現在のシシ大統領は同胞団をテロ組織に指定。ハマスも敵視している。

今回の停戦交渉では、エジプト政府はハマスを含むパレスチナ交渉団をカイロに招いたものの、総合情報庁のツハミ長官はハマス幹部との直接の面会を拒否。ハマスが要求する内容をことごとくエジプト側が拒否したとされる。

イスラエル紙が「ハマスを痛めつけているのは(イスラエルではなく)エジプトだ」と皮肉ったほど。ハマスがエジプトについて「イスラエル寄り」だとの不信感を強めたことが、停戦協議が難航した要因になった。

もともと、米国はハマスをテロ組織に指定しており、交渉のパイプを持たない。現在、ハマスとパイプを持つのはカタールとトルコなど、一部の中東諸国に限られる。しかし、こうした国々とエジプトとは外交関係が悪化しており、多国間で協調して和平協議を進展させる機運にはないのが実情だ。

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