「南シナ海に航行の自由」 ASEAN外相会議、声明採択へ

2016/2/27 11:52
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【ビエンチャン=佐竹実】東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議が27日、ラオスの首都ビエンチャンで始まった。中国による西沙(英語名パラセル)諸島の地対空ミサイル配備など軍事化が懸念される中、南シナ海を巡る安全保障が主な議題となる。領有権を争うフィリピンやベトナムは中国批判を強めるが議長国のラオスは親中派で、ASEAN内でどこまで結束を示せるかが焦点だ。

今年初のASEAN外相会議が開幕した(27日、ビエンチャン)

今年初のASEAN外相会議が開幕した(27日、ビエンチャン)

同日に議長声明を採択して閉幕する。日本経済新聞が入手した議長声明案によると、「南シナ海での航行と航空の自由の重要性について確認する」との文言が盛り込まれている。米国とASEANが15~16日に開いた首脳会議で採択した共同文書に比べ「南シナ海」を明記し、一歩踏み込んだ格好だ。一方で、人工島造成など中国の最近の海洋進出については触れておらず、一定の配慮をみせているようだ。

ラオスは今年、日米中が参加するASEAN地域フォーラム(ARF)など、南シナ海問題を議論する一連の国際会議の舞台となる。インフラ整備など経済面で中国に頼るラオスが、どう議論を取り仕切るかが注目だ。

海洋進出を強める中国は南シナ海で人工島を造成し、軍事化が懸念されている。米国とASEANの首脳会議直後に、中国によるミサイル配備が発覚したほか、南沙(スプラトリー)諸島の人工島では新たにレーダー施設とみられる構造物を建設したことが分かっている。

南シナ海は、原油や液化天然ガス(LNG)が運ばれる世界の海洋交通の要衝だ。海域が不安定になれば日本の生活にも影響が及びかねない。レーダーの新設を受け、中国が外国の航空機が無断侵入した際に戦闘機を緊急出動する「防空識別圏(ADIZ)」を設定するとの懸念も強まる。

南シナ海のほぼ全域を自国領とする中国の主張に法的根拠がないとして、フィリピンは国連海洋法条約に基づく仲裁裁判を始めた。裁判の結果は今年前半にも下される見通しだが、中国は従わない可能性が高い。

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