2019年8月20日(火)

マレーシア「1MDB」債券デフォルト アブダビ社と非難合戦

2016/4/26 23:35
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【シンガポール=吉田渉】マレーシア政府系投資会社「1MDB」とアラブ首長国連邦(UAE)アブダビの政府系投資会社「IPIC」の対立が泥沼化している。1MDBが発行した債券の金利をどちらが支払うかを巡って非難合戦を続け、双方ともに期限の25日までに金利を払わなかった。この債券は「デフォルト(債務不履行)」となる異例の事態に陥った。

両社は2015年5月に結んだ契約で(1)1MDBが発行する17億5千万ドル(約1950億円)の債券をIPICが保証する(2)IPICは債券の金利払いを代行する(3)1MDBはIPICに利払い代行などの対価を支払う――ことで合意した。

だが、IPICは今月に入って1MDBが支払うと約束した11億ドルを受け取っていないと指摘し、利払いの義務は消滅したと発表した。一方、1MDBは「支払った証拠がある」とし、IPICに利払い義務があるとの主張を崩していない。

双方の主張が真っ向から対立するなかで約5千万ドルの利払い期限を迎え、1MDBは26日の声明で「当該債券はデフォルトした」と発表した。

1MDBは声明で「資金が行き詰まってのデフォルトではない」と強調した。同社は多くの資産を中国国有企業に売却し、資金繰りには余裕があるとされる。問題の債券は私募債で、保有者の多くがマレーシア政府系企業との見方がある。

1MDBはナジブ首相に巨額の資金を不正に提供したとの疑惑にさらされている。マレーシア当局は「不正は無かった」として捜査の終結を宣言したものの、不信は晴れていない。資金洗浄などに関わったとの疑惑もあり、スイスやシンガポールの金融当局などが調査を続けている。

同社は今回の騒動に関して「詐欺に遭った可能性がある」として、あくまで被害者の立場だと主張する。IPICとの隔たりは大きく、対立は国際調停の場に移るとの見方も出ている。

金利の支払いを巡る混乱が長引けば、1MDBの経営に対する不信がいっそう高まるのは必至だ。同社はマレーシア政府が全額出資しており、信用力の低下が同国の国債格付けに影響を与えるとの懸念も根強い。

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