食品・資源価格に下げ圧力 世銀16年予想、新興国減速で
【ワシントン=河浪武史】世界銀行は26日、資源や食料など1次産品の2016年の予想価格を改定し、原油など全46品目中37品目を昨年10月時点の予測から下方修正した。原油は年平均1バレル37ドルと15年比27.1%下落すると予測したほか、金属が10.2%、穀物は3.4%下がるとした。前回予測に比べて新興国の景気減速による資源安が長引くとみている。
原油価格は14年の1バレル96ドルから15年は51ドルに急落した。昨年10月時点では16年の予想価格を51ドルとしていたが、イランの輸出再開などで下落圧力が強まったという。17年は48ドルに持ち直すと予測するが、世銀シニアエコノミストのジョン・バフェス氏は「今後2年は深刻な下振れリスクが残る」と指摘した。
金など貴金属も16年の価格は15年比8%下落すると予測した。農産品は1.4%低下し、うち食料は1.7%下がるとみる。1次産品の価格下落は輸入国にはプラスだが、世銀は「資源安によって輸入国の成長が加速するには時間がかかるが、輸出国は価格下落の打撃を即座に受ける」(アイハン・コーゼ開発見通し局長)と世界景気への下押しリスクを懸念する。