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トランプ氏、メキシコ国境に壁 大統領令に署名

【ワシントン=鳳山太成】トランプ米大統領は25日、不法移民への規制を強化する大統領令2件に署名した。メキシコとの国境沿いに「壁」を直ちに建設するよう連邦政府に指示したほか、不法移民に寛容な都市への連邦資金の交付カットなども命じた。治安対策として掲げた選挙公約の実現に動き出した形だが、メキシコは強く反発しており先行きは不透明だ。

大統領令はメキシコとの国境沿いに「物理的な壁を直ちに建設する」と明記した。国境を警備する職員を追加で5000人雇うほか、国境近くに不法移民の収容施設も整備する。こうした施策の実現に必要な作業を始めるよう国土安全保障省などの連邦政府に命じた。

議会の承認が必要な建設費用の見積もりも指示した。メキシコと陸続きで接する全長約3200キロメートルの国境には既に鉄製の柵などがあるが、東西を横断する「壁」を建てるとなると巨額の費用がかかるとみられている。

トランプ氏は25日に収録した米ABCテレビのインタビューで、壁の建設が「数カ月後」に始まると説明。建設費用はメキシコが後で全額返済すると強調した。これまでメキシコ政府は建設費用を負担しないと反発している。

別の大統領令では「サンクチュアリ・シティー(聖域都市)」と呼ばれ、不法移民を保護している地域に連邦資金を交付しないよう指示した。入国管理職員を追加で1万人雇う。母国が受け入れを拒否している不法移民の多くを犯罪者と非難したうえで、直ちに国外退去させるよう求めた。

トランプ氏は選挙中、メキシコ人を「暴行魔」と呼ぶなど差別的な発言を繰り返し、国内外から批判を浴びてきた。犯罪や薬物を米国に持ち込んで治安を悪化させているとしてメキシコ国境沿いに壁を建てたり、不法移民を米国から強制退去させたりすると公約に掲げて大統領選に当選した。

 ▼サンクチュアリ・シティー 「聖域都市」「移民保護地域」と呼ばれ、不法移民に寛容な地域を指す。ロサンゼルスやニューヨークなど全米の大都市が多い。不法移民は経済に欠かせない労働力になっており、当局は重大な罪を犯さない限り強制退去の措置を取らない。トランプ氏の大統領令ではこうした都市は「わざと連邦法に違反している」と批判した。

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