日本の「マタハラ」に言及 米国務省が人権報告書
【ワシントン=芦塚智子】米国務省は25日、世界各国の人権状況に関する年次報告書を発表し、過激派組織「イスラム国」(IS)などのテロ組織による虐殺や抑圧を冒頭で非難した。北朝鮮は「世界最悪」と指摘し、中国も「政府による抑圧が日常化している」と批判した。
ケリー国務長官は25日の記者会見で、テロ組織が虐殺や拷問、奴隷制度など数多くの人権に対する罪を犯していると述べたうえで「国際社会はこれらのグループを打倒する義務がある」とした。
報告書は日本について職場のセクハラが引き続き横行し、妊娠・出産を機に嫌がらせや差別を受けた女性からの申し立ても増えているとして「マタハラ」に言及した。児童虐待の報告増や女性へのドメスティックバイオレンス(DV)の問題にも触れた。
韓国については、朴槿恵(パク・クネ)大統領の名誉を毀損したとして産経新聞の加藤達也前ソウル支局長が在宅起訴されたことに触れ、同国の人権状況に懸念を示した。
報告書は、政府が市民や反体制派などの抑圧に関与している国として、北朝鮮のほかロシアやサウジアラビア、イランなどを挙げた。