2019年2月22日(金)

「イスラム国」、パルミラ爆破画像を公開 シリアの遺跡

2015/8/25付
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【カイロ=押野真也】シリアとイラクを拠点とする過激派「イスラム国」(IS=Islamic State)は25日までに、シリアの古代遺跡を爆破する画像を公開した。ISは「偶像崇拝を禁じる」との理由から支配地域で遺跡の破壊を繰り返している。米軍を中心にISの掃討作戦が続くが、勢力に衰えは見えない。

爆破され、煙を上げるシリア中部パルミラ遺跡のバール・シャミン神殿とみられる建造物(写真上)と破壊後の姿。過激派組織「イスラム国」が25日、画像を公開した=共同

爆破され、煙を上げるシリア中部パルミラ遺跡のバール・シャミン神殿とみられる建造物(写真上)と破壊後の姿。過激派組織「イスラム国」が25日、画像を公開した=共同

ISが公開したのは、シリア中部のパルミラ遺跡にあるバール・シャミン神殿を破壊する画像。神殿が爆破され、煙を上げている画像や、IS戦闘員とみられる人物が神殿内部に爆発物を運び込んでいるものなど、複数枚がインターネット上に公開された。

撮影日は定かではないが、シリアの遺跡管理当局者は英BBCに対し、神殿は23日に爆破されたと話している。ISは5月にパルミラ遺跡を制圧。世界遺産にも指定されている貴重な遺跡群をISが破壊したり、略奪して密売したりするとの懸念が高まっていた。

ISを巡っては、米軍が主導する有志連合が掃討作戦を続けている。8月21日には、米政府がイラクでの空爆でISのナンバー2とされる幹部を殺害したと発表した。ただ、同幹部が死亡してもISの指揮命令の系統には大きな影響を与えないとの見方も多い。

7月には、それまでISへの軍事行動に消極的だったトルコが米軍に対してトルコ国内の基地使用を容認したほか、シリアでの空爆にも踏み切った。ただ、シリアとイラクと国境を接するトルコが軍事行動に加わっても、現時点では戦況が大きく好転する兆しはない。

ISには中東や北アフリカ、欧州から外国人戦闘員の流入が続く。ISは依然として2万~3万人の戦闘員を擁しているとされ、エジプトやリビア、チュニジアなど、周辺国で関連組織が活動を活発化させている。

米国や有志連合はシリアの反体制派を支援しているが、反体制派は一枚岩ではなく、相互の利害が対立する状況が続く。アサド政権に対しては、イランが支援を続けているものの、ISの攻勢に押され、政権の支配地域は縮小している。ISに対抗する有力な組織がシリアの国内になく、ISの伸長が続いている状況だ。

 パルミラ遺跡 東西文明を結ぶシルクロードの難所シリア砂漠のオアシスで、紀元前1世紀~紀元3世紀に栄えた都市の跡。3世紀後半、ローマ帝国の傘下から独立を図ったが、皇帝軍に攻略され破壊された。ギリシャ、ローマ、ペルシャの古代文明と地元文化が融合した都市を貫く列柱道路や神殿の跡が残る。奈良県も1990年代に発掘調査している。国連教育科学文化機関(ユネスコ)は2013年6月、シリア内戦の激化を受けて「危機遺産」に登録した。(共同)

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