2018年11月17日(土)

スイス当局がFIFA会長を捜査 背任と横領の疑い

2015/9/26付
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【ジュネーブ=原克彦】スイスの検察当局は25日、国際サッカー連盟(FIFA)の汚職事件について、ブラッター会長を背任と横領の容疑で捜査したと発表した。2005年にFIFAに不利な契約を交わした疑いが持たれている。FIFA幹部が相次いで訴追されるなか、身の潔白を主張していたブラッター氏だが、ついに会長自身への聴取が行われたことで捜査は新たな段階を迎えた。

当局の発表によると、同会長は05年にカリブ海サッカー連合との間で、FIFAに不利な条件の契約を交わした。当時のカリブ連合の会長は、既に米司法省に起訴されているワーナー元FIFA副会長だった。

契約の履行においても、FIFAや関連組織の利益に反する行為があった疑いがあるとしている。また、11年にブラッター氏がFIFAの資金で、欧州サッカー連盟のプラティニ会長に対し、1999年から02年までの報酬として200万スイスフラン(約2億4800万円)を払ったことにも疑義があるという。

当局は25日にブラッター氏を尋問し、プラティニ氏も参考人として聴取した。FIFA本部の家宅捜索も行い、ブラッター氏のオフィスからデータを押収した。FIFAは24、25日に理事会を開き、終了後にブラッター氏が記者会見を開く予定だったが、直前に理由を説明しないままキャンセルしていた。

FIFA汚職事件では米司法省が資金洗浄の疑いなどでFIFA副会長や取引のあったマーケティング会社の関係者ら14人を起訴。米国ではブラッター氏も捜査対象になると報道されていたが、ブラッター氏がスイスを離れなかったこともあり、正式に捜査はされていない。

一方、スイス検察当局は18年と22年のワールドカップ(W杯)招致について、資金洗浄と背任行為の疑いで容疑者を特定せずに捜査を進めてきた。捜査の過程では資金洗浄の疑いがある口座取引について、銀行から多数の報告を受けていた。

ブラッター氏は関係者らが逮捕された2日後の5月29日にFIFA会長選挙で5選を果たしたが、退陣圧力を受け6月2日に辞意を表明。16年2月に開くFIFA臨時総会で後任が決まり次第、退任することが決まっていた。

FIFAは「求められた文書、データなどの情報はすべて当局に提出した。捜査には引き続き協力していく」としている。

 ▼FIFAの汚職事件 2018年、22年のサッカー・ワールドカップ(W杯)開催地の選考を巡り、国際サッカー連盟(FIFA)の複数の理事が開催地などに金品を要求したとされる事件のこと。米司法省は5月、FIFA副会長や関係企業の14人を起訴した。
 ブラッター会長は事件への関与を否定したが、国際的な非難の高まりから、1998年以来続けてきた会長職を辞任すると表明。17日には14年のブラジルW杯に関連して、チケットの一部を不正に横流ししたとして、FIFAはブラッター氏の側近として知られるバルク事務局長を無期限の停職処分とした。

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