2018年12月20日(木)

スペイン首相、続投に逆風 緊縮策に理解進まず

2015/5/26付
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【バルセロナ=竹内康雄】24日投開票されたスペイン統一地方選挙は、新興政党が躍進し、ラホイ首相率いる国政与党の国民党が大きく議席を減らした。スペイン経済は危機から脱却して回復軌道に乗ってきたが、有権者は景気回復の果実を実感できていない。年末に総選挙を控えるラホイ政権の続投に黄信号がともれば、市場で緊縮策の実行に懐疑的な見方が広がりかねない。

「既存の2政党による政治は終わった。新しいスペインをつくろう」。急進左派の新興政党、ポデモスのイグレシアス党首は投票結果がほぼ出そろった24日夜、同党の躍進に胸を張った。第2の都市バルセロナ市では最大勢力となり、首都マドリード市では国民党に次ぐ第2勢力になった。

ポデモスは2014年の結党。同年の欧州議会選で議席を獲得し、同国政治の表舞台に躍り出た。欧州連合(EU)の欧州委員会が主導する緊縮財政に反対し、ギリシャ与党、急進左派連合と同盟関係にある。スペインでは長年、国民党と社会労働党の二大政党が政権を運営してきた。ポデモスの躍進は、年末の総選挙で国政レベルでもこの体制を崩す可能性がある。

統一選は13の自治州と8000超の市町村で実施された。得票率で、国民党は27%獲得して首位を保ったが、前回11年の37%から大きく後退。2位は社会労働党で25%。ポデモスは地域政党を支援する形でかかわった。

12年に危機に陥ったスペイン経済はこのところ回復基調にある。4月下旬、ラホイ首相は15年の経済成長率を従来の2.4%から2.9%に上方修正した。さらに政府が約束している50万人の雇用創出を「達成可能だ」と主張した。スペインの成長率は12、13年はマイナス成長で、14年は1.4%のプラスだった。

ラホイ政権は景気回復は改革の成果だと訴える。公共事業削減や増税といった財政改革や、解雇を容易にして流動性を高める労働市場改革、不良債権を減らす金融部門の改革などを進めてきた。

だが失業率はなお20%を超える高水準で推移する。有権者には「景気回復は実感できない」との意識が強い。首相は「改革の果実がすみずみまで行き届くには時間がかかる」と痛みを伴う緊縮策に理解を求める。年末の総選挙で続投を狙う首相に逆風が吹いている。

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