2018年12月17日(月)

ブラジル産牛肉に打撃 米、安全懸念で輸入停止

2017/6/26 11:38
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【サンパウロ=外山尚之】3月に食品衛生基準を巡る不正疑惑が発覚したブラジルの食肉業界が、米国による牛肉輸入差し止めという新たな問題に直面している。米農務省は食品安全上の懸念があるとして、ブラジル産の生鮮牛肉の輸入禁止を決定。ブラジルは世界有数の畜産大国なだけに世界の食肉市場に影響を与える可能性があるほか、2年連続のマイナス成長からの脱却を目指す同国経済にも逆風となりそうだ。

米農務省が22日に発表した声明によると、ブラジルから輸入した全食肉の検査をしたところ、11%の生鮮牛肉に問題があったという。ブラジル以外の国からの輸入品で問題があるのは1%程度。

米農務省は公共衛生への影響や家畜の健康状態などの問題があると指摘、「ブラジル農務省が適切な行動をとり、米農務省が条件を満たしたと確認できるまで差し止めは続く」と表明した。ブラジル政府は問題対処にあたり、5施設の操業を自主的に停止することを米国側に伝えたという。

ブラジルでは3月に食肉加工会社が衛生基準を満たさない食肉を国内外に販売していた問題が発覚。中国などが一時輸入を停止した。ブラジル政府は全国の工場を検査した上で、問題のあった工場に操業停止命令を出すなどの対策を打ち出していた。

ブラジルは米国に次ぐ牛肉生産国で、輸出量では世界首位を争う。米国への輸出が全体に占める比率は少ないものの、衛生管理上の問題発覚でブランド価値の下落は避けられそうにない。長期的にインドやオーストラリアなどとのシェア争いにも影響が出そうだ。

ブラジル経済は昨年まで2年連続のマイナス成長だったが、1~3月期の国内総生産(GDP)が9四半期ぶりにプラスに転じるなど復調の兆しが見えていた。農畜産業は景気回復のけん引役なだけに、米国による輸入差し止めは水を差す可能性がある。

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