トルコ中銀、2カ月ぶり利上げ 0.75%上げ9.25%に
【イスタンブール=佐野彰洋】トルコ中央銀行は24日開いた金融政策決定会合で、主要な政策金利である翌日物貸出金利を0.75%引き上げ9.25%とした。1月中旬から実質的な上限金利として使用を始めた「後期流動性貸出金利」は1%引き上げ11%とした。利上げは昨年11月以来2カ月ぶりとなるが、1週間物レポ金利は8%で据え置いた。
中銀は24日の声明で直近の通貨リラの急落に言及、「インフレ見通しの悪化を封じ込めるため金融引き締めの強化を決めた」と説明した。しかし、市場はリラ安の流れを食い止めるには利上げの幅が不十分と判断、1ドル=3.75前後で推移していたリラの対ドル相場は一時3.82台に急落した。
2016年、米トランプ政権の誕生に伴う米長期金利の上昇などから、リラは対ドルで17%も下落した。17年以降も下げ幅を広げている。
中銀は投機的なリラ売りを防ごうと、1月中旬以降、従来の1週間物レポ金利や翌日物貸出金利を通じた市場への資金供給を絞り込んでいる。市中銀行は金利の高い「後期流動性貸出金利」の利用を余儀なくされており、すでに「裏口利上げ」(シムシェキ副首相)に着手していた。