英のEU離脱派、悲願達成に喝采 優位の残留派は暗転

2016/6/25 0:52
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【ロンドン=黄田和宏】英国が23日に実施した欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票は、開票の中盤から離脱派が終始リードを保ち、長年の悲願であるEU離脱を勝ち取った。直前の世論調査の結果を受け残留派優位とみられた開票直後から雰囲気は一転。離脱派が歓喜に沸く一方、残留派は敗北に打ちひしがれた。

23日午後10時(日本時間24日午前6時) ロンドン中心部にある国会議事堂の時計台「ビッグ・ベン」が静かに時を知らせた。英国と欧州の将来を占う国民投票が締め切られた。英放送局スカイニュースが投票日の世論調査で、残留支持が52%と離脱の48%を上回ったと伝え、残留優位の見方が広がった。

午後11時半(同24日午前7時半)すぎ まず最初の投票結果を発表したのが、イベリア半島南東端にある英領ジブラルタルだ。96%が残留を支持し、ロンドンの金融街シティー近くの残留派の本部では安堵が広がった。

24日午前0時(同8時)すぎ 開票序盤で離脱派を勢いづける結果が舞い込んだ。日産自動車が工場を置く英北部サンダーランドで、離脱派が6割を超える得票を集めた。集計所では拍手喝采が沸き起こり、離脱派のテーマ色である赤のTシャツを着た女性が支持者に担ぎ上げられ、歓声を上げた。

午前2時半(同10時半)すぎ 金融市場では英通貨ポンドに売りが膨らみ、下げ幅を大きく広げ始めた。離脱派が残留派に対するリードを徐々に拡大し、残留派の支持者の顔には焦りがにじみ始めた。

午前4時(同正午)ごろ 英国独立党(UKIP)のファラージュ党首は支持者や報道陣に「独立記念日として歴史に刻もう」と勝利宣言をした。

午前4時半(同午後12時半)すぎ 運命の時が訪れた。英民放最大手ITVが「離脱派が勝利」と報じ、BBCなど英メディアが一斉に追随した。ロンドンのテムズ川沿いにある離脱派の本部では、英国旗「ユニオンジャック」を持った支持者が喝采を上げ、「アウト! アウト!」の合唱が沸き起こった。

一方、残留派の陣営では支持者が意気消沈し、椅子にうなだれた。結果を受けて、残留派でファンタジー小説「ハリー・ポッター」の著者として知られるJ・K・ローリング氏は「英国よ、さようなら」と、短文投稿サイト「ツイッター」でつぶやいた。

午前7時半(同午後3時半)ごろ 英国中が大混乱に陥るなかで、英中部マンチェスターのタウンホールで、国民投票の統括責任者であるジェニー・ワトソン氏は離脱派が52%近い票を獲得したという最終結果を読み上げた。「この結果は英国がEU離脱に投票したことを意味する」と宣言すると、来場者からは歓声が上がり、離脱派の念願が現実になった。

午前8時20分(同午後4時20分)ごろ 大勢の報道陣が詰めかける中、キャメロン首相はサマンサ夫人とともに首相官邸前に姿を現し、「新しいリーダーシップが必要だ」と敗北を宣言し、辞意を表明した。

午前11時(同午後7時)すぎ 記者会見に臨んだ離脱派のリーダー格、ジョンソン前ロンドン市長は「我々は結果を誇りに思える」と話したが、いつもの笑顔はなく、神妙な面持ちだった。国民が下したあまりにも重大な選択に、本人もまだ戸惑っているかのようだった。

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