【マニラ=遠藤淳】フィリピンのドゥテルテ大統領は24日、首都マニラで日本経済新聞など日本メディアの取材に応じ、南シナ海の領有権を巡る7月の仲裁裁判所判決について「いずれ中国と話し合わなければならないだろう」と述べた。中国が求める判決棚上げには応じない姿勢を示した。
ドゥテルテ氏は25日に来日するが、それに先立って訪問した中国での習近平国家主席との会談では、南シナ海のほぼ全域に主権が及ぶとする中国の主張を否定した仲裁判決に言及しなかった。
同氏は「招いてくれた国に対する礼儀として(主張を)押しつけなかった」とし「最初の会談では議題にしないと合意していた」と明かした。
今後の協議については「中国との2国間かもしれないし、日本やインドネシア、オーストラリアが参加する多国間かもしれない」と語った。
「米国と決別する」といった反米的な発言を繰り返していることについては、自身の強硬な麻薬犯罪対策を米側が批判したことを念頭に「言い返しているだけだ。(フィリピン)政府とは関係なく、私の個人的な認識だ」と強調した。
同氏は27日まで日本に滞在。安倍晋三首相との首脳会談のほか、天皇陛下との会見も予定する。