「ロヒンギャに国籍を」 ミャンマー諮問委が報告書

2017/8/24 23:26
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【ヤンゴン=新田裕一】イスラム系少数民族ロヒンギャへの人権侵害問題で、ミャンマー政府が設置した特別諮問委員会は24日、最終報告書を公表した。国籍法を見直してロヒンギャに国籍を認めることなど、計88項目を政府に勧告した。

ミャンマーの国籍法は、国籍が取得できる対象者を「19世紀初頭からミャンマーに居住する民族」に限定している。このためロヒンギャの大半が無国籍の状態となり、参政権や国内移動の自由が認められていない。

諮問委の報告書は「ミャンマーは世界最多の無国籍者を抱える」と指摘。政府に国籍法を改正し、ロヒンギャが国籍を取得できる制度に改めるよう求めた。移動の自由も認めるよう勧告した。

諮問委委員長のアナン元国連事務総長は同日の記者会見で「実行の責任は政府にある」と政府に勧告履行を求めた。アナン氏によると、アウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相は「政府全体で勧告を推進する枠組みを作る」と答えたという。ただ、勧告に対して市民や国軍から反発の声が高まる可能性もある。

ロヒンギャ問題を巡っては、国連がミャンマー国軍によるロヒンギャへの組織的迫害があると指摘するなど国際社会の批判が強まってきた。

諮問委は昨年8月、ラカイン族とロヒンギャの民族間対立の解決策を探るため、スー・チー氏の主導で設置された。委員長のアナン氏を含む3人の外国人と6人のミャンマー人の専門家で構成されている。

ロヒンギャが多く住む西部ラカイン州のラカイン族の間では「ロヒンギャが多数の子どもを産んで人口を増やしている」として、宗教や言語が異なる"外国人"の増加を警戒する声が多い。

昨年10月には、国境警備隊施設の襲撃事件後、国境警備隊や国軍の掃討作戦中に近隣のロヒンギャ住民が迫害を受けたとされる事件が起きた。

アナン氏は「暴力は問題を解決しない」と指摘。暴力行為に加担していないロヒンギャ住民を守るため、治安部隊の教育体制や指揮系統を見直し、検問所に監視カメラを設置して部隊への監視を強化すべきだと提言した。

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