2019年1月20日(日)

オバマ氏、新たな米越関係訴え 枯れ葉剤にも言及

2016/5/24 23:42
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【ハノイ=富山篤】ベトナムを訪問中のオバマ米大統領は24日、主な政治日程を終えた。同日の首都ハノイでの演説で「ベトナム戦争は両国に苦痛と悲劇をもたらした」とし、米軍が大量に散布した枯れ葉剤に異例の言及をした。対越武器輸出を41年ぶりに全面解禁するとも表明した。今回の訪越は戦争の惨禍を経た両国が新たな戦略関係に入ることを印象づけた。

「シンチャオ(こんにちは)、ベトナム」。24日正午、登場したオバマ氏はハノイ郊外の国立会議センターを埋め尽くす約2000人にベトナム語であいさつした。話はベトナムの歴史から始まり、自然にベトナム戦争へと移った。

「冷戦と共産主義への恐怖が我々を戦争へと引きずり込んだ」。1975年4月のベトナム戦争終結以降、ベトナムで直接、同戦争に言及した米大統領はオバマ氏が初めてとみられる。オバマ氏は「300万人のベトナムの兵士と市民、5万8315人の米国民が命を失った」と続け「両国は痛みと尊い犠牲をいつまでも忘れてはならない」とした。

米軍が戦争中に大量に散布した枯れ葉剤にも言及した。「エージェントオレンジ(枯れ葉剤の通称、ダイオキシン類)を除去し、ベトナムの土地が元の姿に戻るように引き続き努力を続ける」。森林に逃げ込んだ北ベトナム兵に業を煮やし、米軍は最低でも4400万リットルの枯れ葉剤をまいたとされる。この事実は米国ではタブーに近い。オバマ氏は謝罪こそしなかったが、大統領が言及した意味は大きい。演説の最後は、ベトナムの国民的文学作品「キエウ伝」の一説を引用し「100年の旅へ共に乗りだそう」と締めくくった。

演説のほかにも、オバマ氏は米越関係が新時代に入ることを印象づけた。23日、米大統領として初めてハノイにあるベトナム建国の父、ホー・チ・ミン氏の家を訪問した。ベトナム戦争前の1958年から死亡する69年まで同氏が住んだ家で、米軍の北爆の標的にもなったとされる場所だ。

米国にとってはかつての敵であり、共産主義の象徴でもある同氏の家を訪問することはためらわれるようだった。オバマ氏はグエン・ティ・キム・ガン国会議長と共に訪れ、ホー・チ・ミン氏がお気に入りだった池で魚に餌をやるなど和やかに過ごした。

オバマ氏は25日、越財界人らと懇談した後、日本に向かう。主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)が終わった後の27日には被爆地、広島を現職米大統領として初めて訪問する。オバマ氏にとっては、かつて米国が激戦を繰り広げたベトナムと、第2次世界大戦末期に原爆を投下した広島を「慰霊」する旅でもある。

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