2019年3月20日(水)

米保険3位・エトナの同業買収、司法当局が却下

2017/1/24 9:41
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【ニューヨーク=平野麻理子】米連邦地裁は23日、医療保険3位のエトナが4位のヒューマナを買収する計画を差し止める判断を下した。市場の寡占化が進み、消費者の不利益につながる恐れがあるとの司法当局の訴えを認めた。エトナは上訴を検討しているが、トランプ政権下で医療保険制度改革(オバマケア)が大幅に見直される可能性が高く、買収計画にも影響を与えそうだ。

2015年7月にエトナがヒューマナを370億ドル(約4.2兆円)で買収すると発表していた。同時期に2位アンセムも5位シグナを542億ドルで買収すると発表。実現すれば米医療保険は首位「ユナイテッドヘルス・グループ」のほか、「アンセム&シグナ」と「エトナ&ヒューマナ」の三大グループに集約される見通しだった。

15年に医療保険業界の再編機運が高まったのは、オバマケア導入がきっかけだった。保険加入者数が増えるなか、健康状態の悪い加入者の増加で保険会社は利益率低下に直面した。エトナはオバマケアの保険だけで年数億ドルの赤字が発生しているといい、大半の地域でオバマケア事業からの撤退を決めた。

トランプ大統領は選挙中からオバマケアの撤廃を最重要課題のひとつにあげてきた。就任初日の20日に早速オバマケア見直しを指示する大統領令に署名したが、代替案の詳細は明らかになっていない。新政権の考える新たな医療保険制度が業界にとってプラスになるかは不透明で、合併計画に与える影響も読み切れないのが実情だ。

今回の決定は消費者保護の観点から大型M&A(合併・買収)の阻止を進めてきたオバマ政権のメンバーによるもので、トランプ政権の意向は反映されていない。オバマ政権下では、米ケーブル大手コムキャストによるタイムワーナー・ケーブル買収や米石油サービス大手ハリバートンのベーカー・ヒュース買収などが当局から合併の承認が得られず、頓挫した。

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