2018年8月15日(水)

ロシア、米国との協調探る シリア和平会議開幕
トルコ・イランと共催、カザフで

2017/1/24 1:09
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 【アスタナ=古川英治】ロシアは23日、中央アジア・カザフスタンの首都アスタナでシリア内戦を巡る和平会議を開いた。トルコとイランが共催し、シリアのアサド政権と反体制派の協議を仲介した。ロシアのプーチン政権はシリア情勢を利用し、同国で活動する過激派組織「イスラム国」(IS)を脅威に挙げるトランプ米新政権との協調を探る。イランの反対など、ロシアの思惑に反する構図も浮上している。

 反体制派の要衝だった北部のアレッポを昨年末に制圧後、初の会合。カザフ外務省によると、会議にはアサド政権の代表と自由シリア軍など15の反体制勢力が参加した。

 ロシアは「(12月末に合意した)停戦を確実にすることが狙い」と説明。2月に国連主導の和平会議が予定されており、ロシアの主導的な立場を示す思惑もあると見られる。アスタナの会議は24日まで続く。

 ロシアはシリアでの対テロをトランプ政権との協調の呼び水と位置づけている。選挙戦から米ロ関係の改善を主張したトランプ氏はISを脅威と指摘し、ロシアとの協調の可能性に言及していた。ロシアのペスコフ大統領報道官は会議に先立つ21日、「米国抜きではシリア問題の建設的な解決は不可能だ」と述べ、米ロ協力を呼びかけた。

 米ワシントン・ポスト紙によると、ロシア側はフリン米大統領補佐官(国家安全保障担当)に会議参加を働きかけたが、米国は政権移行期を理由に高官派遣を見送り、駐カザフ大使が出席した。ロシアがトランプ氏の不名誉な個人的情報を握っているとの疑惑が浮上しており、就任直後の接触を避けた可能性もある。

 シリアでの米ロ協調のシナリオは一筋縄ではいきそうもない。今回の会議への米国の参加にはロシアとともにアサド政権の後ろ盾となるイランが反対した。トランプ氏はオバマ前大統領がまとめたイランとの核合意の撤回を示唆するなど、同国を敵視する姿勢を見せているためだ。

 シリア内戦ではアサド政権をロシアとイランが支援、米欧やサウジアラビアなど湾岸諸国が反体制派を支援し、紛争が泥沼化した。トランプ氏はアサド政権の退陣を求めたオバマ前政権の政策を維持するか立場を明確にしていない。ロシアに接近し、アサド政権容認に動けば同盟国である湾岸諸国の反発が予想される。

 会議ではアサド政権と反体制派の対立が改めて鮮明になっている。政権が停戦合意を順守していないとの批判が反体制派から噴出し、ロシアに停戦保証を要求する声が出た。これに対し、アサド政権側は反体制派を「テロリスト」と呼び、協議を仲介したトルコにも批判の矛先を向けた。ロシア政府に近い筋は「ロシアだけではリスクを背負えない」と明かす。

 ウクライナ侵攻により米欧から制裁を受けるプーチン政権は2015年にシリアに軍事介入し、アサド政権を支援した。トルコも取り込んで停戦合意を成立させた。トルコは米欧が支援するシリアのクルド人勢力の台頭に懸念を強めてロシアに接近し、同国と反体制派の間を仲介した。

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