/

中国、メコン流域開発を支援 周辺5カ国と首脳会議

融資枠1.1兆円の意向

【博鰲(ボーアオ、中国海南省)=山田周平】中国とタイ、ベトナムなどメコン川流域5カ国は23日、海南省の三亜で首脳会議を開いた。中国の李克強首相はメコン川流域の開発を促すため、100億ドル(約1兆1300億円)超の融資枠を設ける意向を表明した。「陸のASEAN(東南アジア諸国連合)」と呼ばれる5カ国と関係を強め、南シナ海を巡る争いを優位に進める狙いだ。

会議は李首相が主宰し、タイ、ベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマーの首相、副大統領らが出席した。6カ国は会議を踏まえ、メコン川流域諸国の「生産能力での協力に関する共同声明」を発表した。

声明は中国で過剰生産が深刻な素材などをメコン川流域の開発に生かす枠組みをつくることを盛り込んだ。メコン川流域が社会インフラの整備、産業構造の高度化といった課題に直面していると分析。「生産能力での国際協力に重要なチャンスを提供している」と指摘した。

協力分野として発電、送電網、自動車、冶金、建材、交通インフラ、生産設備などを例示した。中国が直接投資、技術協力、生産設備輸出などでメコン川流域の開発を支援することを明記した。

中国主導で設立したアジアインフラ投資銀行(AIIB)を資金調達で使うことを挙げた。さらに、李首相は輸出品の買い手などを対象とした最大100億ドルの融資枠や、インフラ整備のために100億元(約1740億円)を低利で融資する制度の創設を表明した。

6カ国首脳は政治や文化で交流拡大を目指す「三亜宣言」も発表した。ベトナムやタイ、ラオスが現在、深刻な干ばつに直面していることを念頭に、メコン川の水資源の活用を進めることを盛り込んだ。

中国とメコン5カ国の首脳会議は従来、アジア開発銀行(ADB)の主催で3年に1度開かれていた。中国は自国で開く首脳会議に衣替えし、メコン川流域諸国を自らの経済圏にがっちりと組み込む構えだ。

政治的な思惑もある。今回の首脳会議に参加した国は今年のASEAN議長国ラオスやカンボジアなど親中派が多い。陸のASEANを自陣営に取り組み、同じASEAN加盟国でも南シナ海の領有権を巡って激しく対立するフィリピンや、その背後にいる米国をけん制する意図がある。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

暮らし

新着

注目

ビジネス

暮らし

新着

注目

ビジネス

暮らし

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン