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米中、南シナ海巡り応酬 戦略・経済対話始まる

【ワシントン=大越匡洋】米国、中国の両政府は23日、両国間の懸案を話し合う戦略・経済対話をワシントンで開いた。バイデン米副大統領は開幕の演説で「海上交通路が開かれ、守られていることがこれまで以上に重要になっている」と述べ、中国による南シナ海での一方的な行動をけん制した。アジア太平洋地域での主導権を巡ってせめぎ合う米中は、通商自由化やサイバー攻撃、安全保障など幅広い分野で厳しい応酬を繰り広げる。

対話は24日まで2日間、開く。米側はケリー国務長官とルー財務長官、中国側は楊潔篪国務委員、汪洋副首相がそれぞれ代表を務め、政治と経済にわかれて集中討議する。24日に成果を盛った声明を採択する。

米国側は、中国による南沙(英語名スプラトリー)諸島の岩礁埋め立てについて「南シナ海を不安定化させる行動」として、即時停止を求めてきた。中国は岩礁埋め立てを「主権の範囲内だ」と主張し、米国に口出ししないよう促す見通しだ。

バイデン副大統領は「我々は中国の台頭を恐れていない。責任ある形での台頭を求めている」と述べ、中国に大国としての責任ある態度を求めた。ケリー国務長官も「南シナ海や東シナ海の緊張を緩める必要性についても議論したい」と述べた。

これに対し、中国側は「中国は航行の自由を強く支持している」(楊国務委員)、「対抗すれば双方が代価を払う。対抗より対話がよりよい選択だ」(汪副首相)などと応じた。

中国が大国としての自信を深めるなか、領土問題などを巡る米中間の摩擦はもはや避けがたい。一方、習近平国家主席の9月の訪米を控え、両国がともに実利を得やすい経済や通商、金融分野で協調する道を探る。

ルー財務長官は「市場の機能の発揮を重視し、消費が主導する経済をめざす中国の改革を支持する」と述べ、中国の安定成長に向けた改革の推進に期待を表明した。「貿易や投資の開放、為替制度改革などについて率直に議論する」と述べ、投資協定の交渉加速などをめざす意向も示した。

中国側も通貨・人民元など金融の自由化に向けた改革への意欲を示す。中国は今年、国際通貨基金(IMF)の準備資産であるSDR(特別引き出し権)への人民元の採用をめざしている。人民元を「自由に取引できる通貨」に近づけるため、株式投資などの資本取引で国境をまたぐ人民元のやりとりなどに対する規制を緩和する方針だ。

もっとも、アジアの経済圏を巡る主導権争いは熱を帯びている。中国抜きに米国が進める環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉がもたつくなか、中国は韓国やオーストラリアなど周辺先進国との自由貿易協定(FTA)に相次いで正式に署名した。米国の独壇場だった国際金融の世界でも、中国はアジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設にメドをつけた。

利害がぶつかる分野が広がるなか、米中は気候変動など一部の国際的課題での協調演出に腐心する。米中対話は互いをけん制しつつ、相違点を確認することで摩擦や衝突のリスクを制御する間合いを探る場となる。

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