2019年1月24日(木)

台湾がインフラ投資3.2兆円計画 8年間で、鉄道新線など

2017/3/23 19:47
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【台北=伊原健作】台湾の蔡英文政権が大型のインフラ投資に乗り出す。行政院(内閣)は23日、2017年からの8年間で約8800億台湾ドル(約3.2兆円)を投じる計画を発表。大規模なインフラ投資で内需を刺激し、景気の回復傾向に弾みをつける狙いだ。鉄道新線や水資源、都市整備が中心で、現地での実績が豊富な日本企業の参画にも期待する。

記者会見する林全・行政院長(中)(23日、台北市の行政院)

記者会見する林全・行政院長(中)(23日、台北市の行政院)

「台湾の競争力向上と現代化を推進する」。林全・行政院長(首相)は同日の記者会見で強調した。計画を盛り込んだ特別予算の条例案を同日、閣議決定。立法院(国会)での審議を経て5月中にも成立させたい意向だ。林氏は「(日本企業は)風力発電やデジタル産業、鉄道に非常に強く、協力のチャンスがある」と期待を示した。

予算の半分弱に当たる4241億台湾ドルは鉄道関連につぎ込む。北部の基隆と台北を結ぶ次世代路面電車(LRT)の新設や南部・高雄の地下鉄の延伸などが目玉となる。資料で列挙したプロジェクトの総数が38に上る大がかりな計画だ。

台湾の鉄道整備は日本企業が深く関わる。南北をつなぐ台湾高速鉄道(新幹線)は、日本が新幹線技術を初輸出した案件だ。今月2日には北部で丸紅川崎重工業日立製作所がシステムなどを手掛けた都市鉄道(MRT)の新線が正式に開通。新たな受注を探る動きが活発化しそうだ。

水害の防止に向けた河川やダムの整備や、水不足の解消に絡むプロジェクトには2507億台湾ドルを投じる。都市や道路の整備には1372億台湾ドルを投資する。地震など災害への備えを厚くし、居住や企業の投資環境を改善する。

台湾の16年10~12月期の実質域内総生産(GDP)は前年同期比2.88%増。同1~3月期まで3四半期連続のマイナス成長だったが、回復が鮮明だ。ただ中国向けのIT(情報技術)輸出がけん引する構図は不変だ。今回の投資は景気の刺激に加え、中国に過度に依存した経済構造の転換も目的となる。

データセンター建設など、デジタル産業の振興に460億台湾ドルを投じる。「日韓やシンガポールなどにデジタル関連のインフラで後れをとるわけにはいかない」(林氏)といい、クラウドや人工知能(AI)の事業環境を改善する。太陽光や風力発電にも243億台湾ドルを投資し、新エネルギー産業を育成する。

蔡政権の経済政策は東南アジアとの連携強化など中長期的な内容が中心だった。今回の計画は「人々の生活に関わり、恩恵を直接実感しやすい」(台湾師範大学の范世平教授)のが特徴だ。蔡氏が5月20日に就任1年の節目を迎えるのを前に、政権の求心力を回復させる狙いとの見方もある。

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