ベルリンでのテロ容疑者、イタリア・ミラノで射殺

2016/12/23 19:56 (2016/12/24 0:03更新)
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【フランクフルト=加藤貴行】ドイツの首都ベルリンのクリスマスの市にトラックが突入し12人が死亡したテロ事件で、イタリア捜査当局は23日、ドイツ当局が行方を追っていたチュニジア人のアニス・アムリ容疑者(24)がミラノで射殺されたと発表した。独当局は各国当局と連携し、国外に逃走した経路や犯行に至った経緯など全容の解明を進める。

独捜査当局が公開したアニス・アムリ容疑者の顔写真=AP

独捜査当局が公開したアニス・アムリ容疑者の顔写真=AP

イタリアのミンニーティ内相が23日に記者会見し明らかにした。伊ANSA通信によると、ミラノ北部の駅前広場で22日夜、通常の警備をしていた警官が不審人物を見つけ身分証の提示を求めると、男は叫んで警官に向けて発砲した。男は応戦した警察官により射殺された。男は身分証を携帯していなかったが、アムリ容疑者と指紋が一致した。

容疑者はフランス南東部で購入した電車の切符を持っており、イタリアに入国後、トリノ経由でミラノまで移動したという。独当局も同日、アムリ容疑者の死亡を確認した。

デメジエール独内相は23日の会見で「捜査は続く」と強調し、事件の背後関係や容疑者の逃走経路を調べる方針を示した。また独警察幹部は、11月に独国内で逮捕されたイスラム過激派の幹部と容疑者が接点があったことを指摘した。

過激派組織「イスラム国」(IS)の系列ニュースサイトは同日、同容疑者とみられる人物が、IS指導者のバグダディ容疑者に忠誠を誓っている様子を映した映像を公開した。

19日夜に起きたテロ事件では、犯行に使われたトラックの車内からアムリ容疑者の身分証が見つかった。独当局は21日から公開捜査に踏み切り、国境の管理も強化し各国の当局にも協力を呼びかけていた。容疑者は捜査網をかいくぐり、複数の国境を移動したとみられる。

独放送局RBBによると、事件後の20日午前3時台に、ベルリン市内のモスクの前に映る容疑者を監視カメラがとらえていた。このモスクは過激派組織「イスラム国」(IS)の支持者が集まる拠点とされ、事件現場から約4キロメートル離れている。

容疑者が銃撃戦の末、射殺された現場で警備にあたるイタリア捜査当局(23日、ミラノ)=AP

容疑者が銃撃戦の末、射殺された現場で警備にあたるイタリア捜査当局(23日、ミラノ)=AP

独当局はベルリンからの細かな逃走経路や、途中での支援者の有無なども調べる。独メディアは、アムリ容疑者が事件前にIS関係者と連絡をとっていたと報じている。ISは事実上の犯行声明を出している。

アムリ容疑者は2011年にイタリアに渡航し、放火などの罪で刑務所に約4年間いた後、釈放され、15年7月にドイツに入国し、複数の偽名を使いながら暮らしていた。独当局は、16年6月に同容疑者の難民申請を却下。過激派との接点などから危険人物として監視対象にしていた。

ただチュニジアに強制送還する予定が、チュニジア側の書類の不備で独国内にとどまり、12月に入り行方がわからなくなっていた。独国内では容疑者の行方を見失った当局の対応や、チュニジア側の姿勢を問う声も出ている。

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