米、シリア領で空爆 対「イスラム国」にサウジなど参加

2014/9/24付
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【ニューヨーク=吉野直也】米政府は22日、米軍と複数の有志国が過激派「イスラム国」を標的にシリア領内で空爆を始めたと発表した。米中央軍によると、サウジアラビア、ヨルダン、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、カタールの中東5カ国が軍事作戦に参加した。

オバマ米大統領は23日、国連総会への出発前にホワイトハウスで声明を読み上げ「米国に危害を加えようとする者に安住の地はない」とテロとの戦いへの決意を表明。「米国単独の戦いではない。一定の時間はかかる」と力説した。

米メディアは軍や有志国の空爆の開始時間は米東部時間22日午後8時半(日本時間23日午前9時半、現地時間同日午前3時半)ごろと報じた。イスラム国の本拠地、ラッカやハサカ、デリゾール、アブカマル、アレッポの司令部施設や訓練施設、武装車両、補給トラックなどを対象に14回、空爆した。

アレッポ近郊には日本人男性がイスラム国に拘束されているとみられている。戦闘機や爆撃機による攻撃だけでなく、紅海とペルシャ湾に展開した複数の艦艇から巡航ミサイル「トマホーク」を47発発射した。「欧米への差し迫ったテロ計画があった」として米軍は国際テロ組織アルカイダ系グループ「ホラサン」の施設も空爆した。

米国防総省のカービー報道官は23日の記者会見で、空爆は「大きな成功を収めた。これは始まりにすぎない」と語った。米統合参謀本部のメイビル作戦部長は空爆にステルス戦闘機F22が初めて参加したと述べるとともに、攻撃の96%が高い命中精度を持つ精密誘導弾だったと指摘した。

米国務省のサキ報道官は声明を出し、シリア政府に空爆方針を直接伝えていたと明らかにした。アサド政権には敵対行為を取らないよう警告。「同意は求めていない。軍レベルで攻撃の具体的な時期についても一切知らせていない」と強調した。

オバマ氏が10日の演説でイスラム国攻撃のためシリア領への空爆拡大方針を表明後、パワー国連大使を通じてシリアの国連代表部に「行動を取る意思」を伝えた。シリア外務省は23日、米軍の攻撃を支持する姿勢を示したうえで、領内での空爆について事前に通告を受けていたことを認めた。一方、ロシアは国際法違反と批判した。

シリア人権監視団によると空爆でイスラム国の戦闘員70人以上が死亡したもよう。空爆の標的は40カ所以上で、対象には武器弾薬・燃料の集積施設や訓練施設、兵舎、司令部などが含まれる。

8月に始めたイラクでの空爆は、これまでに190回を超えた。米国人記者2人が殺害されたことへの米国民の怒りに押される形で、オバマ氏は戦線を拡大した。

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