2019年7月19日(金)

英、賛否拮抗のまま国民投票へ EU離脱巡り

2016/6/23 11:22 (2016/6/23 13:15更新)
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【ロンドン=原克彦】英国は23日、欧州連合(EU)からの離脱の是非を問う国民投票日を迎えた。22日に発表された最新の世論調査では離脱派、残留派がそれぞれ優勢とする結果が入り乱れているものの、離脱派の勢いが衰えたとの見方から英通貨ポンドは年初来最高値をつけた。有権者の投票行動に影響を及ぼすとみられる主要メディアや著名人の主張は離脱・残留で二分され、両派が拮抗したまま投票に突入する。

投票を前に開かれたEU残留派の集会(22日午後、ロンドン)=写真 小林健

投票を前に開かれたEU残留派の集会(22日午後、ロンドン)=写真 小林健

国民投票は23日午前7時(日本時間午後3時)に始まり、午後10時(同24日午前6時)に締め切られる。すぐに開票作業が始まり、24日の早朝(同正午すぎ)には大勢が判明する見通しだ。

英の各調査会社が22日に発表した世論調査は結果が分かれた。オピニウムは離脱を求める人が45%で残留は44%、TNSは離脱が43%、残留が41%と離脱がリード。これに対してコムレスは残留が48%、離脱が42%、ユーガブは残留51%、離脱49%と残留が優勢としている。総じて残留派の比率が上がっている。

こうした動きを背景に、23日のアジア早朝の外国為替市場では英ポンドが対米ドルで一時1ポンド=1.48ドルと昨年12月以来の高値をつけた。EU離脱による混乱を懸念して売り込まれていたが、17日以降に急速に買い戻された勢いが続いている。英FTSE100種総合株価指数も22日終値が前日比0.55%上昇し、4営業日連続で続伸した。

22日夜には離脱派の極右政党、英国独立党(UKIP)のファラージュ党首が「家庭の事情」を理由にテレビ討論への出演を取りやめた。難民の行列を写したUKIPのポスターが「差別的」との批判を浴びていた。

英主要メディアや著名人は国民投票に対する立場を明確にしている。

中道左派寄りとされる高級紙ガーディアンは21日、残留支持を表明。「離脱を選んだ場合には、若者の多くが意図しない英国を彼ら(=若者)に手渡すことになる」として「それは公正だろうか」と読者に問いかけた。

経済紙フィナンシャル・タイムズは16日付の社説で「欧州はイスラム過激派や移民、ロシアや気候変動という脅威に直面し、建設的な関与が不可欠。これらは力を合わせることで初めて取り組むことができる」と主張し、残留支持を表明した。

一方、保守層の読者が多いデイリー・テレグラフは21日に離脱支持を表明。「EUは5億人の市場へのアクセスを提供するといわれているが、域外には60億人の市場がある」と指摘。「英は主要な経済大国。言語は国際的で、法律に対する信頼があり、公正な取引に対する評判も高い」と、離脱しても英国の優位は揺るがないと強調した。

著名人ではサッカー元イングランド代表のデービッド・ベッカム氏が「子供や孫のために、世界の問題に一緒に向き合うべきだ」と残留支持を表明。英家電大手ダイソンの創業者、ジェームズ・ダイソン氏は「本当に成長し、躍動感のある市場は欧州の外にある」と離脱支持を訴えた。

英国民の判断は欧州統合の行方にも甚大な影響を与えるため、域内首脳からは残留呼び掛けが相次いでいる。ドイツのメルケル首相が「英国の残留を望む」と強調したほか、フランスのオランド大統領も「離脱は取りかえしのつかないこと」と語った。イタリアのレンツィ首相は「離脱は間違った判断。英国にとり大惨事や悲劇を通り越したものになる」と訴えた。

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