2017年12月17日(日)

AT&T、複合メディアに タイムワーナー買収を発表

2016/10/24 0:55
保存
共有
印刷
その他

 【ニューヨーク=中西豊紀】米通信大手のAT&Tは22日、米メディア大手のタイムワーナーを買収すると発表した。買収総額は約854億ドル(約8兆8600億円)。携帯電話事業が伸び悩むなか、映画やテレビドラマ、ニュースまで幅広いコンテンツを抱えるタイムワーナーを取り込み、複合メディア企業への転換を図る。インターネットの普及を背景に通信とメディアの融合は世界的な潮流になっており、日本に波及する可能性もある。

 タイムワーナー株を1株当たり107.5ドル(21日終値は89.48ドル)で取得する。半分を現金で、半分をAT&T株で支払う。独禁当局の承認が必要で、2017年末までの買収を目指す。買収総額は独医薬・農薬大手バイエルによる米モンサントの買収を上回り、今年のM&A(合併・買収)では世界最大とみられる。

 タイムワーナーは15年度でメディア業界4位。「バットマン」「ハリー・ポッター」シリーズで知られる映画部門ワーナー・ブラザーズやニュース専門局CNN、「ゲーム・オブ・スローンズ」など人気ドラマを多数抱えるケーブルテレビ局HBOなど多様なコンテンツ事業を傘下に持つ。

 AT&Tは米2位の携帯電話事業者で1億3000万人強の契約者を国内に抱える。買収でスマートフォン(スマホ)にタイムワーナーのコンテンツを配信しサービスの付加価値を高める計画だ。動画を強みに値下げに頼らない契約者の獲得を進めるほか、スマホ配信を通じた広告収入の拡大を目指し、複合メディア企業への脱皮を狙う。

 AT&Tは同日の発表文で「全米でケーブルテレビ局に対抗できる最初の携帯電話事業者になる」と宣言した。タイムワーナーのジェフ・ビューケス最高経営責任者(CEO)も「一緒になることでネット動画需要の増加に対応できる」との声明を発表。ネットフリックスやアマゾン・ドット・コムなどネット動画配信で伸びる新興企業に対抗する。

 スマホの契約者数が伸び悩むのは日本の通信会社も同じだ。KDDIやNTTドコモなどは他社と提携して動画の配信事業を始めている。今回の動きに触発されて、融合が加速することも考えられる。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ

企業・業界をもっと詳しく

企業がわかる。業界がみえる。ニュースとデータをまとめてチェック!



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報