2019年6月17日(月)

ミャンマー新政権、スー・チー氏入閣 外相など兼務か

2016/3/22 22:28
保存
共有
印刷
その他

【ヤンゴン=松井基一】3月末に発足が見込まれるミャンマー新政権に与党、国民民主連盟(NLD)のアウン・サン・スー・チー党首が入閣する。かねて「大統領の上に立つ」と発言し、閣外から政権を統率するとみられていたスー・チー氏だが、憲法改正問題などで溝が埋まらない国軍との閣内対話を優先する姿勢に転じた。同氏は外相など複数の重要ポストを兼務するもようだ。

ミャンマー国会が22日に公表した閣僚名簿は、21あるポストに対し18人の名前が記載され、スー・チー氏はその筆頭にあった。各閣僚の担当は明らかになっていないが、ロイター通信や複数の地元メディアは同氏が外相、大統領府相、電力・エネルギー相、教育相の4ポストを兼務すると報じた。担当は週内にも正式発表される見通しだ。

現行憲法は外国籍の親族のいる人物の大統領資格を認めず、2人の息子が英国籍のスー・チー氏は大統領になれない。スー・チー氏は昨年11月の総選挙前から「私は大統領の上に立つ」と宣言。格下の首相職などへの就任も否定していた。

憲法は閣僚の政党活動を禁じ、入閣すれば自動的に党首の座を失う。スー・チー氏個人の人気に依存するNLDは党組織が弱体なこともあり、同氏は与党党首としての立場を優先し、閣外から新政権を率いるとみられていた。党の広報責任者は20日にも記者団に同氏の入閣を否定していた。

土壇場でスー・チー氏が入閣を決断した背景には、国軍との改憲交渉の停滞がある。昨年11月の総選挙に大勝した後、スー・チー氏は国軍トップのミン・アウン・フライン総司令官と3度にわたり会談。自身の大統領就任に道を開く憲法の効力停止などを提案したが「大統領の上に立つ」といった強気の発言に態度を硬化させた総司令官はそれを拒絶したとされる。

NLDは新政権発足後も「スー・チー大統領」の実現に向けた軍との交渉を継続する意向だが、実現には軍との信頼関係の醸成が不可欠になる。スー・チー氏の就任が有力視される外相は、大統領や総司令官とともに、国防の最高意思決定機関である国防・治安評議会に参加できる数少ないポスト。総司令官と継続的な接触が可能になる入閣と、政党活動の資格を失うことの利害得失を慎重に比較し、国軍との対話に軸足を置くことを決断したようだ。

15日に次期大統領に選出されたティン・チョー氏は、自他共に認めるスー・チー氏の「代理人」。肩書や担当職務とは関係なく、政権の意思決定にスー・チー氏の意向が全面的に反映されるのは確実だ。

今回名簿に記載された18閣僚のうち、NLDに所属するのはスー・チー氏を含めて6人にとどまる。大学教員など専門知識を評価された外部有識者の起用が目立ち、軍政の受け皿政党の野党、連邦団結発展党(USDP)や少数民族政党の出身者も含まれる。少なくとも外見上は「挙国一致」を打ち出した布陣となる。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報