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ベトナム、原発計画中止 日本のインフラ輸出に逆風

【ハノイ=富山篤】ベトナム政府は22日、同国南部に建設することになっていた原子力発電所の計画を中止すると決めた。ロシアと日本がそれぞれ受注して2028年にも稼働する予定だったが、資金不足に加えて、福島第1原発の事故で住民の反発が強まり、計画を見直すことにした。インフラ輸出を成長戦略に掲げていた安倍政権にとって逆風となる。

同日閉会した国会で、計画を中止することを正式に決めた。原発は2009年、前首相のグエン・タン・ズン氏が主導し、電力不足を解消する切り札として計画を承認した。南部ニントゥアン省に発電能力計400万キロワットの原発を造る予定だった。当初は14年に着工し、20年の稼働を目指していたが、人材と資金の両方が不足して計画は遅れていた。

ロシアの第1原発(2基)が28年、日本の第2原発(同)が29年に稼働するはずだった。いずれも「加圧水型」を想定していた。ベトナムは日ロ両国に100人以上の研究者を送り込み、技術を学ばせていた。

ベトナムは近隣国との自由貿易協定(FTA)など自由貿易を進めたことによる関税収入の減少や、公的債務の拡大によって財政状況が急速に悪化。ここ数年、1基あたり数千億円単位でお金がかかる原発は現実的に無理だとの声が強まっていた。

さらに4月に中部ハティン省で台湾企業が建設中の大型製鉄所で大規模な公害が発生し、住民の環境意識が急速に高まったことも影響したとみられる。

日本政府はベトナムの原発はアジア新興国における原発輸出のモデルと見込んでいた。原発メーカー、電力、政府がタッグを組んでベトナム政府と連携してきた。中国、韓国との価格競争が激しい石炭火力と違い、原発は日本の技術で差異化しやすく、ベトナムで成功すればアジアの他地域でも受注できるとみていた。

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