独SAPとボッシュ、IoTで提携 サービス相互乗り入れ
【フランクフルト=加藤貴行】欧州ソフトウエア最大手の独SAPと自動車部品最大手の独ボッシュは21日、あらゆるモノがネットでつながる「IoT」分野で戦略技術提携を結んだと発表した。SAPのデータ高速処理技術とボッシュのクラウドサービスなど両社間でサービスを相互乗り入れし、顧客の製造業や物流業などが使いやすい基盤づくりで協力する。
ボッシュは、SAPの高速処理技術「HANA」を使い、集めたデータをクラウド上ですぐに解析してサービスができる仕組みを作る。またボッシュの微細センサーが収集したデータを使ったサービスと、SAPのクラウドサービスもつなぐ予定だ。
生産設備や自動車、家電などあらゆる機器をつなぐ場面での活用を想定している。長期にわたる協力で合意しており、他のサービス開発も進める。
両社はドイツが進める「インダストリー4.0」の代表格。ただ、米国に拠点を置くIoTの推進団体「インダストリアル・インターネット・コンソーシアム(IIC)」にも加盟し、今春のドイツと米国の両団体の提携を後押しした。
IoTでは自社規格だけで囲い込むよりも、国境を越えて複数サービスを継ぎ目なくつなげ、利用する顧客を増やす方が利点があるとみられている。SAPとボッシュの提携は主に産業分野におけるIoTの1つの核になりそうだ。
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