米空母、数日中に日本海へ 北朝鮮に圧力続ける
訪豪のペンス米副大統領が見通し
【ワシントン=永沢毅】オーストラリア訪問中のペンス米副大統領は22日、朝鮮半島近海に派遣している原子力空母カール・ビンソンが数日中に日本海に到着するとの見通しを示した。25日前後に核実験や弾道ミサイル発射など新たな挑発行為に動く可能性が取り沙汰される北朝鮮に引き続き圧力をかける姿勢だ。
米メディアによると、ペンス氏はオーストラリアのターンブル首相との会談で、北朝鮮に核・ミサイル開発を断念させるよう中国に協力を促す方針を確認。ペンス氏は共同記者会見で「すべての選択肢がテーブルにある」と述べ、軍事力行使を排除しない姿勢を重ねて示した。中国の協力取り付けにも自信を示した。
ペンス氏は「我々の同盟国や中国が圧力をかけることで、朝鮮半島を平和的な手段で非核化するという歴史的な目標が達成できるチャンスがあると信じる」と訴えた。
米太平洋軍は8日、シンガポールを出港したカール・ビンソンが朝鮮半島近海に向かって北上すると発表した。その後に同空母がシンガポールより南の海域にいることが判明した。現在は北上しており、月内に到着する見通しとなった。
25日は朝鮮人民軍創建85年の節目に当たり、北朝鮮が国威発揚に向けて新たな挑発行為に踏み切るとの観測がある。トランプ政権はそれよりも前に空母を派遣して軍事力を誇示したい考えだ。
ペンス氏はターンブル氏との会談で米豪の強固な同盟関係を確約した。トランプ米大統領は就任間もない1月末、ターンブル首相との電話協議を途中で打ち切り、両国関係にすきま風が吹いたとされていた。