米小売り大手、増収相次ぐ 2~4月

2015/5/25付
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【ニューヨーク=杉本貴司】米小売り大手の2~4月期決算が出そろった。百貨店や衣料、家電など大手7社のうち6社で米売上高(一部海外含む)が増収となった。懸念されていた悪天候や西海岸で起きた港湾ストの影響は軽微に終わり、住宅関連商品の販売好調を映して底堅い結果となった。ただ、米国の消費全体の伸びは鈍っており、先行きには不透明感が漂う。

「当初思っていたよりずっと手応えのある売れ行きだった」。ホームセンター最大手ホーム・デポのメニア最高経営責任者(CEO)は2~4月期決算をこう振り返った。売上高は前年同期と比べ6%増。販売動向が表れやすい米既存店売上高に限れば7%増だ。早くも2016年1月期通期の売上高の見通しを上方修正した。

ホーム・デポの強気の根拠は堅調な米住宅市場だ。4月の住宅着工件数は約113万5000戸と、7年半ぶりの高水準となった。

衣料品に強い百貨店のJCペニーも、16年1月期通期の既存店売上高の見通しを上方修正した。ディスカウント店のターゲットは既存店売上高が2%増と「予想を上回る出来だった」(コーネルCEO)。

小売り世界最大手のウォルマートは、2~4月期の米国内売上高が前年同期比4%増と「手堅い結果」(マクミロンCEO)となった。既存店への来店数が1%増にとどまったものの、電子商取引が17%伸び、ネットで買い物を済ませる顧客を取り込んだ。

一方、百貨店大手のメーシーズは売上高が1%減った。年末年始に米西海岸の主要港湾で労使交渉が決裂し、荷動きが鈍った影響が大きいとしている。2月に米北東部を襲った記録的な寒波も客足を遠ざけた。同社はこれらを「一時的な影響」としているが、16年1月期の売上高は伸び悩むと見込む。

ほかの米小売り大手も先行きには慎重だ。ウォルマートのマクミロンCEOは最新のマーケティング調査の結果から「多くの米消費者がガソリン安などで得られたお金を(買い物ではなく)負債の返済や貯金に回している」とみる。

実際、統計データをみると米消費の伸びが鈍っていることが分かる。米商務省がまとめた米小売売上高統計(季節調整済み)から前年同月比の増減率を計算すると、14年は毎月3%以上の成長率を維持したが、今年4月は1%を割り込んだ。米消費者は財布のひもをきつくしている。

個人消費は米国内総生産(GDP)の7割を占める。米連邦準備理事会(FRB)の金融政策にも影響するだけに、今後の動向に注目が集まる。

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