銃弾8発、強い殺意か パリ警官銃撃テロ実行犯
【パリ=共同】パリ中心部シャンゼリゼ通りで発生した警官銃撃テロで、フランス検察のモランス検事は21日、記者会見し、銃撃犯はカリム・シュルフィー容疑者(39)と発表した。容疑者は警察車両に計8発の銃弾を撃ち込んでおり、捜査当局は警察への強い憎悪と殺意があったとみて、背後関係や動機の捜査を続けている。
シュルフィー容疑者は20日夜、シャンゼリゼ通りに停車中の警察車両に向け、カラシニコフ自動小銃で運転席側の窓ガラスに2発、フロントガラスに2発、さらにリアガラスに4発撃った。
モランス氏は、シュルフィー容疑者が過激派組織「イスラム国」(IS)を支持する内容のメモを所持していたと明らかにした。容疑者とISとの接点の解明が今後の捜査の焦点になりそうだ。
一方、フランスメディアは容疑者が検察対テロ部門の監視対象だったと伝えていたが、モランス氏は「イスラム過激派に傾倒した兆候は把握されていない」と指摘。強盗や別の警官殺人未遂などで多くの有罪判決を受け、服役と出所を繰り返しており、警察の監視対象だったという。
ISは20日の犯行声明で「実行犯はベルギー人のアブ・ユセフ」と発表。ベルギー捜査当局は21日、アブ・ユセフを名乗る男が出頭したものの、麻薬密売容疑で指名手配されており、パリ警官襲撃テロとは無関係だと説明した。